Creepy Nutsの新MVを観て若かりし日々の「黒歴史」に思いを馳せる

Creepy Nutsの新MVを観て若かりし日々の「黒歴史」に思いを馳せる
Creepy Nuts(R-指定&DJ 松永)が、先日いよいよリリースしたメジャーデビュー作『高校デビュー、大学デビュー、全部失敗したけどメジャーデビュー。』より、“だがそれでいい”のMVを公開した。

「あ、Creepy NutsのMV出てたんだ! 早速観よーっと」ってな感じで軽く動画を開いたら、きっとあなたはあまりの居た堪れなさに1分も立たぬうちに一度止めてしまう。しかしまた再生したくなってしまうことだろう。このMVには、まさに《過ぎ去りし日々 俺達のあやまち》といった歌詞のとおり、「龍の剣の形をしたキーホルダー」、「自作漫画」、「拾ってきたエロ本」、「好きな子のリコーダーを舐める」など思い出して恥ずかしくなってしまうような「黒歴史」がなんと90種類も登場する。学生時代を経て今に至る多くの人に共感できて、不特定多数に刺さってしまう作品だ。


このMVを再生してまず「懐かしい!」という感情が湧き上がってきた。R-指定と同い年の自分にとって、全てがドンピシャである……。と、「#16 ローラーシューズ」を目にしたときに、走馬灯のように1つの思い出が蘇ってきた――小学生の頃、母親に「ポン酢を買ってきて」とお使いを頼まれ、ローラーシューズを履いて外に出た瞬間に転んで足を7針縫ったこと……あゝ、忘れたい思い出。もう一度改めて最初から再生すると、それぞれにいろんな物語が詰まっていることを思い出した。「#7 プリ帳」なんで全然知らない人のプリクラなんかと交換したのか。「#10 流行らなかったやつ」JITTERIN'JINNじゃなくて、なんて名前だったっけこれ。「#38 チェンメ」嵌められたのか数人の友達から一斉に同じ内容のやつが送られてきた。「#87 前略プロフ」荒らされた……。

若さゆえの酔狂は、もしかしたら自分は何か特別な人間なのかもという自意識から行動に至ってしまうことが多い。しかし大人になるにつれて、それは薄れていく――。でも、このMVで過去を振り返ってみると「やっぱり自分は大したことなかった」と思うことから、人生は始まるんじゃないかなと思ったりもする。黒歴史だって「大したことなかった」に辿り着くまでの糧になっているはず……だからこそこの曲ではサビで《何者でもないお前、突き進めそのままで ただ前に》といったエールを送っている。つまり、「千里眼の力!」とか言っていたあの頃の自分に「千里眼なんてないよ」と現実を突きつけつつも、「だが、それでいい」と全てを肯定してくれているのだ。

ちなみに、あわせて公開された特設Webサイト「みんなの黒歴史ツイート」では、Twitterアカウントから過去のツイートを分析し、昔の黒歴史ツイートが自動的に表示されるという、ただならぬ雰囲気漂う企画が行われている。是非あなたも参加して、Creepy Nutsと共に黒歴史に向き合うことで、あの頃の自分を成仏させてほしい。(渡邉満理奈)


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