ドイツの放送局「ARD」の番組で放送が予定されていたロジャー・ウォーターズのドイツ公演だが、ロジャー・ウォーターズの政治的姿勢を受け、放送が中止されることが発表された。
「Hollywood Reporter」によると、放送中止の理由は「彼に寄せられている反ユダヤ主義的との非難の声」とのことだ。
ロジャー・ウォーターズは近年、世界的に人気のあるバンドやアーティストがイスラエルで公演を行うことが「イスラエルに対してハスバラ(有利な宣伝材料)を提供」することになり、「プロパガンダのキャンペーンに加担」することと相違ない結果を招く、という意見のもと、レディオヘッドやニック・ケイヴなど、イスラエルでの公演を予定しているアーティストたちへの中止要請を度々行っている。
こうした要請や政治的姿勢の提示は反イスラエル運動であるBDSとして、イスラエルの自国製品売買のボイコット、イスラエルの資本引き上げ、そして経済的な制裁運動を実現させ、イスラエルにおける人権侵害を解消することを目的として行われている。
しかし民族の約75パーセントがユダヤ人であり、世界的に見てもユダヤ人の人口が最も多いイスラエルにおいて、こうしたアパルトヘイト運動はユダヤ人への抑圧となり、差別を煽る行為だとしてユダヤ人からの大きな非難を受けているのだ。
Roger Waters - The Last Refugee
今回のロジャーの公演映像の放送中止に関し、独放送局「ARD」のグループ局「RBB」は「RBB、そしてベルリンとブランデンブルク在住のユダヤ人コミュニティに対して、私たちの立場を明確にすることはとても重要だと考えています」との意見を提示し、「世にはびこる、イスラエル問題における反ユダヤ主義的思想をドイツに持ち込むことは許されない」としてロジャーに対する断固とした姿勢を明らかにした。
また米国はイスラエルに続いてユダヤ人の人口が多い国として知られているが、BDS運動は米国においても多くの非難の声を受けている。実際に最新ツアー「US+THEM」のスポンサーからは、当初決定していたアメリカン・エキスプレスがロジャーの政治的姿勢を理由に撤退を決定したという事例もあった。
なお、今回の「ARD」の発表に対するロジャー・ウォーターズからのコメントなどは発表されていない。
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