3年ぶりの新作『カラーズ』を10月にリリースし、同作を引っ提げた来日公演も果たしたベック。
『ロッキング・オン』1月号では、そんな8年ぶりとなった単独来日公演のため来日にしたベックに『カラーズ』の制作過程、そしてツアーから遠ざかっていた時期の彼の活動について訊いたインタビューを掲載している。
2008年リリースのアルバム『モダン・ギルト』の後、自身の音楽活動から離れてプロデュース業などに勤しむ時期があったベック。当時ビデオ撮影のため腰を痛めてしまった時のことも振り返りながら、他のアーティストからの影響についても話している。
まあ、そもそもぼくはミュージシャンとか、アーティストが大好きで、ほかのアーティストへの思い入れとか愛情とか実はすごく強烈だから……うん。(中略)そういうほかのアーティストへの思いもあって、すべてが成り立っているんだよね。そして、内心ではいろんな人の才能を尊敬しているし、彼(本誌11月号の表紙のリアム・ギャラガーを指差して)もすごい歌唱力を持っているし、ビョークの歌もすごいよね。ポップ・ミュージックの人についてもそう思うし、一度テイラー・スウィフトのライヴにぼくの曲をやるからということで客演させてもらったことがあったんだけど、その時、テイラーのステージがどう構成されていて、誰がどう動くのかっていろいろ決められてて、すごいクリエイティヴィティだなぁって思ったんだ。
また、最近の若いアーティストの音楽を聴いてどう思うかを問われたベックは、90年代の頃の自身を思い返しながら日本での受け取られ方についても交えて以下のように語った。
今はいろんないい音楽が出てると思うんだけど、ある意味で、生まれてくる時代を間違えたかなと思うこともあるんだ。ぼくが駆け出しだった頃よりも自分の音楽がもっと受け入れられやすくなってるからね。駆け出しの頃はほんと……たとえば、日本では最初からすぐにすごく受け入れてもらえたところがあって、わかってもらえたと思うんだ。どうしてかというと、実は日本ってすごく現代的な国だからなんだよ。だけど、ほかのいろんな国では、ぼくのレコードの内容は、すごく意味のわからないものだったんだ。
今の若いバンドの音を聴いてたりすると、こういうのはどれも自分の原点と繋がっているなあと思うんだ。ぼくが駆け出しだった頃には、自分にはまったく居場所がなかったし時流にも合ってないと思ってたんだけど、でも、今じゃ時代の一部になっている実感はするんだよね。
インタビューではそのほかにも過去の自分の作品を振り返っていたり、現在の音楽シーンの状況と自分の音楽の役割を語っていたりと、読み応え十分な記事になっている。ぜひ本誌でこの数年間におけるベックの考えを読み解いてもらいたい。
『ロッキング・オン』1月号の詳細はこちらから。
http://www.rockinon.co.jp/product/magazine/144146