6月29日にリマスター音源や未発表デモ曲などを収録した、デビュー・アルバム『アペタイト・フォー・ディストラクション』のボックス・セットをリリースしたガンズ・アンド・ローゼズ。
『ロッキング・オン』8月号では、デビュー・アルバムのリリース直前に行われた若きメンバー5人による貴重なインタビューを掲載している。
出身がバラバラな5人が集まりロサンゼルスで生まれたガンズ・アンド・ローゼズ。そんな5人が行き着いたロサンゼルスという街について、スラッシュは以下のように語る。
LA以外の場所で起きてることをニュースで見たりすると、ここはマジでパラダイスだって思う。ここじゃ何をやってもお咎めなしだからね。俺は、この街が自滅してレコード会社が全部海の底に沈んで全てがどうでもよくなる日を、ひたすら待ってるんだ。
また、アクセル・ローズはバンドの下積み時代の思い出を以下のように語っている。
当時は……モトリー・クルーのファースト・アルバムが出た頃で、猫も杓子も鋲打ちのレザー姿だった。駆け出しの頃にロキシー・シアターでやった時、イジーとシアターの中に入って行くと、柵から身を乗り出したヴィンス(・ニール)とニッキー(・シックス)に「こいつら一体何者だ?」って顔されたことがあったな。LAのシーンに受け入れてもらえるようになるのに3年かかったよ。
放蕩の限りを尽くしていたバンドは、マネージャーの役割を果たしてくれようとした女性のアパートに、メンバー全員で身を寄せるなど、その当時の生活は荒れ放題だったという。
その後は、シャワーも食料も何もないスタジオに移ったバンドだが、その時の状況をスラッシュは以下のように答えた。
すごく居心地の悪い独房って感じだったけど、でもプレーするとこれが最高にいい音が出るんだよ。俺たちはとてつもなくラウドなバンドとして、音のボリュームだけは絶対妥協したくないと思ってる。だからその時もそのちっぽけな部屋で、マーシャル2台で音を炸裂させてたんだ。
すると(LAの)サンセットをぶらついてる負け犬たちやバンドの連中が毎晩たむろするようになった。そこでリハーサルをやって、寝起きもそこでしてたんだ。てんやわんやの状況だったけど、少なくともデブの怠け者にはならずに済んだ。
結局、根っこにあるのは「貧しさ」なんだ。「ファック・ユー」っていうアティテュードもそこから生まれてくるわけ。シャワーも浴びられず、食い物も何もないっていう状況で、「生き残る」ためにやるべきことをやらなきゃならないからさ。
一方、メンバー共通のレコード・コレクションについて訊かれると、セックス・ピストルズの『勝手にしやがれ!!』、エアロスミスの『ロックス』は全員が持っている、と答えるアクセル。
さらに、アクセルはザ・ローリング・ストーンズ、ラモーンズといったバンドの名を挙げ、そうしたアーティストたちの断片がバンドに存在していると述べ、自分たちのバンドのスタイルについて以下のように語った。
それを全部引き出して活かしたいと思ってるんだ―― 一つの限られた枠に収まってしまうんじゃなくて。最近はそういうバンドが少なくなった―― 昔はクイーンなんかそうだったけど。あとツェッペリンもね。でも最近のバンドは、一つの方向性にとどまってしまいがちだ。
たくさんのバンドが……そう、あのジューダス・プリーストですら「よし、試しに売れ線を狙ってうまくいくか見てみよう」と決意して、トーン・ダウンした音楽を作って自分たち以外の人間を満足させようとして、結局は高い代償を払う羽目になったわけだけど、一般のリスナーは、標準から逸脱しすぎた音楽は、たとえイカしてても好きになろうとしないんだよ。
でも他のバンドのやつらに気づいてほしいんだ―― 「他人があんたたちにやらせたがってる音楽じゃなく、あんたたち自身がやりたい音楽を何だってやりゃいいんだ」って。俺たちもそうしてきたからさ。
そして、インタビューの最後は彼ららしい一言で締め括られている。
ツアーして、旅をして、ガンズ・アンド・ローゼズの大冒険を続けたい。そして道楽の限りを尽くして女ともヤリまくりたい!
インタビューのほかにも、「『アペタイト・フォー・ディストラクション』が世界征服を果した7つの理由」と題し、デビュー・アルバムを紐解く7つのトリビアを紹介したロング・テキストも掲載している。
現在、最新ツアー「Not In This Lifetime」のヨーロッパ公演を行っているガンズ・アンド・ローゼズ。
型破りでありながら、常にロックに衝撃を与え続けてきた彼らがデビュー時に語っていた言葉とは? その全文は『ロッキング・オン』8月号をチェックしてほしい。
ガンズ・アンド・ローゼズの記事は現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。
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