昨年発表した約10年ぶりのオリジナル・スタジオ・アルバム『アメリカーナ』の続編として、7月にアルバム『アワ・カントリー:アメリカーナ第二幕』をリリースしたレイ・デイヴィス。
『ロッキング・オン』9月号では、前作から約1年で発表された新作について、レイ・デイヴィスに訊いたインタビュー記事を掲載している。
レイは、過去にもザ・キンクスとして『プリザヴェイション』の『第1幕』と『第2幕』という2枚のコンセプト・アルバムをリリースしている。
では今回の『アメリカーナ』、『アワ・カントリー:アメリカーナ第二幕』はどのような気持ちで制作したのだろうか。
『アメリカーナ』というプロジェクトは、ぼくとアメリカとの関係を総括するものになっていると思うんだよ。そして、そのぼくとアメリカの関係というのは山あり谷ありで、いい時もあれば、そうでない時もあった。
(中略)だから、これを形にすることはすごくカタルシスを伴うものになったわけで、今回の音楽によって、ぼくの奥底に留められていたものがたくさん解き放たれることになったんだ。
今後は、この『アメリカーナ』における一連のプロジェクトをまとめたボックス・セットのリリースも考えているそうで、物語を叙述する未収録曲を加えるほか、時系列的に楽曲を整理し直すかもしれないという。
そして、この一連のプロジェクトが完全に終わった後に取り掛かろうとしているテーマやアプローチ、プロジェクトなどについて訊くと、以下のように答えた。
一応、考えているプロジェクトは3つあるんだよ。あとは、それを形にしていく時間をどう捻出するかということと、どう優先順位をつけていくかってことだね。
それともう一度、キンクスのアルバムも作ってみたいんだけどね。
一般的に、ロック・ファンにおいてレイの存在はイギリス(ロンドン)を代表するものとも言えるが、そんな彼がここまでアメリカにこだわったのはなぜか。以下のように語った。
たとえば、キンクスとして日本でツアーを行った時のことなんだけど、ファンの一部が本を持って言い寄ってきたことがあったんだよね。ぼくはロンドンのヴィレッジ・グリーンを発見してそれを作品にしているけど、連中が言うには、日本にだってヴィレッジ・グリーンはあるんだって。
その時、みんながそれぞれのイメージを持って作品に接しているんだと思い至って、以来、ぼくはロンドンについてのものだけにならないように作品を書こうとしてきたんだよ。もちろん、ぼくはロンドンで育ったし、そこが変わることはない。
(中略)自分でなんでも出来る人間になっていく機会、それがぼくにとってのアメリカだったんだ。アメリカで生まれ育ったのなら誰だって大統領を目指すことは出来るという、それだけでも、アメリカとは機会に溢れた国だったんだ。
インタビューではこの他にも、途中に飛び出したザ・キンクスの今後に関すること、『アメリカーナ』、『アワ・カントリー:アメリカーナ第二幕』という2枚の作品により深く迫ったレイ・デイヴィスのコメントが掲載されている。
レイ・デイヴィスが近年の活動について大いに語ったインタビューの全文は、ぜひ『ロッキング・オン』9月号にて。
レイ・デイヴィスの記事は現在発売中の『ロッキング・オン』9月号に掲載中です。
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