【サマソニ2018予習】ベック、見るべきポイントはここ!

【サマソニ2018予習】ベック、見るべきポイントはここ!

レイドバックした内省的な趣向の前作『モーニング・フェイズ』とは一転、アデルテイラー・スウィフトケンドリック・ラマーも手がける売れっ子プロデューサーのグレッグ・カースティンと組み、ベック流の新たなモダン・ポップを提示した最新アルバム『カラーズ』。と同時に、過去にもレコーディングやツアー・バンドに参加した旧知のカースティンとの共同作業は、ベックにとってみずからの作家性を再検証し再構築するような得難い経験となったはず。そうした盤石かつリフレッシュした創作の状態に近年のベックがあることは、直近の2度の来日で見せたパフォーマンスが物語るとおりだろう。まさに『カラーズ』の制作の最中でクリエイティヴィティのピークにあった2年前のフジ、そして『カラーズ』完成後の充実感を漲らせた昨年秋の東京公演。ベックはいま、この10年、いや2000年代以降を通じてキャリア・ハイを迎えている、と言って間違いない。

そんなベックは目下、秋まで続く北米/欧州ツアーの真っ直中。『カラーズ』で実った果実の本格的な収穫期、とでも言ったところだろうか。その合間を縫っての出演となる今回のサマーソニックのステージは、当然のごとく素晴らしいパフォーマンスが期待できそうだ。『カラーズ』の楽曲を盛り込んだオール・タイム・ベスト、というセット自体は直近の来日公演と大きく変わらなそうだが、現在の仕様でもう1年以上か2年近く断続的にライヴを重ねてきた演奏は、ますますブラッシュアップされているはず。また、最近の定番になっている、“ホエア・イッツ・アット”や“ワン・フット・イン・ザ・グレイヴ”でプリンストーキング・ヘッズなどの名曲のイントロやフレーズを挟んでジャムに興じる演出も、そのレパートリーやヴァリエーションを広げている模様。あとは、せっかくなのでこの機会にぜひ、DAOKOとの“アップ・オール・ナイト”の初生披露……なんてどうだろうか。

いずれにせよ、ベックにとってライヴとは、最高のポップ・ショウであり、最高のエンターテインメントの場。自身のストロング・スタイルが存分に発揮された『カラーズ』の成果を糧に、日々アップデートが図られているはずのそのパフォーマンスには、おそらくはその時々にしか体験することのできない驚きや発見があるはずだ。(天井潤之介)



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