晶と京谷のあの切ない別れの背景にあるもの――『獣になれない私たち』第7話を観て

ドラマも後半戦に突入し、登場人物それぞれへの愛おしさもどんどん増す中、晶(新垣結衣)が京谷(田中圭)に別れを告げるという大きな動きもあった『獣になれない私たち』第7回。やっぱり、それを決断させたのは、晶が朱里(黒木華)とビールを飲みながら腹を割って話ができたからだと思う。そこで浮き彫りになったのは、ふたりが京谷を真ん中に、互いを意識しながら自分を演じるように生きていたということ。晶は朱里とは違う「いつも笑顔でちゃんと働いている私」を求められているんだろうなと思い、一方で朱里も「晶のような女性であること」を求められているなと思ったからこそ、その逆を演じていたのだ。朱里は「働かずに家でゲームばかりしているだらしない自分」でいることで、自分自身を愛して欲しいと心の中で叫んでいたんだろう。「私たち、誰の人生を生きてきたんだろうね」という晶の言葉は朱里の心にも強く響いたはずだ。

京谷が自分の母親に「愛って何だ?」と尋ねるシーンもあったが、結局京谷は誰の何を愛していたのだろうかと腹立たしい気持ちになった人もいるだろう。「見捨てられない」だとか「責任取らなきゃ」なんていう言葉はやっぱり罪深いのかも知れない。それが京谷の良い所でもあり悪い所でもあるのだが…。そしてこんな時、誰かを断罪するよりも、自分自身が変わることで新しい運命を切り拓いていけるのはやっぱり女性の方なんだろう。京谷に別れを告げた晶と、どうやら就職活動を始めた朱里。ふたりは前に進み始めたけれど、まだその道は交わって摩擦を起こす予感がしているし、案外良いコンビなので今後どうなるのかが楽しみだ。こうなってくるともう、京谷も恒星(松田龍平)も蚊帳の外だもんな(笑)。(上野三樹)

盛りだくさんの『けもなれ』第5話がドラマ後半へ向けてのターニングポイントとなった理由
かつてないほど何度も衝撃が訪れた、ドラマ『獣になれない私たち』第5話。もうほんとに盛りだくさんで主な流れとしては①朱里(黒木華)と晶(新垣結衣)による直接対決、②そこで朱里に「仕事があって仕事ができて恋人がいて贅沢」と言われた晶がぶっ壊れて“幸せなら手を叩こう”を歌いながら働きまくる、③疲れ果てた…
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ガッキーの「あの一言」から始まり約10分間ドキドキさせられた『けもなれ』第4話について
京谷(田中圭)と呉羽(菊地凛子)は案の定、一夜を共にしてしまっていた……という衝撃の事実発覚からスタートした、ドラマ『獣になれない私たち』第4話。京谷の彼女である晶(新垣結衣)と、呉羽の元彼である恒星(松田龍平)はお互いの怒りや寂しさを分かち合うように、行きつけのバーでビールを何杯も飲みながら、ぐ…
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波乱とともに全く進展しない恋――『けもなれ』第3話でも「バカ」になれない晶がいた
ドラマ『獣になれない私たち』、第3話は晶(新垣結衣)の家で料理をしながら帰りを待つ京谷(田中圭)のエプロン姿にキュンとしたのも束の間、物語は波乱だらけの展開に。 朱里(黒木華)との関係を断ち切ることができない京谷と、京谷に本音を告げた晶の間には深い溝ができてしまった。しかも二人の状況を見かね…
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京谷(田中圭)との美しすぎるキスシーンにこの恋が続いてほしいと願った『けもなれ』第2話について
日テレ系ドラマ『獣になれない私たち』第2話、かなり盛りだくさんな内容だった。放送前に脚本家の野木亜紀子が「前回つらかった皆様、毎週同じことはしないので、今日は大丈夫です。安心してお楽しみください」とTwitterでつぶやいていた通り、今回は恋愛要素多め。 新垣結衣が演じる深海晶と、田中圭が演…
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『獣になれない私たち』初回放送で多くの人の胸に刺さった「ある一言」とは?
新垣結衣と松田龍平がダブル主演を務め、脚本は野木亜紀子ということで、今期スタートする連続ドラマの中でも特に注目の『獣になれない私たち』。 第1回目は「『全ての頭でっかちな大人』に送る、ラブかもしれないストーリーが始まります!」と公式サイトなどで書かれていた謳い文句からイメージしていたよりも、…
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