キング・クリムゾンの充実した「今」をメル・コリンズとジャッコ・ジャクスジクが語る。「このメンバーで集まると、毎回心からワクワクするんだ」

キング・クリムゾンの充実した「今」をメル・コリンズとジャッコ・ジャクスジクが語る。「このメンバーで集まると、毎回心からワクワクするんだ」 - 『rockin'on』2019年2月号より『rockin'on』2019年2月号より

昨年末、約1ヶ月にわたるジャパン・ツアーを開催したキング・クリムゾン

『ロッキング・オン』2月号では、日本各地を回ったバンドよりサックス/フルート奏者のメル・コリンズ、そしてボーカル/ギターを務めるジャッコ・ジャクスジクのそれぞれへ行った対面インタビューの模様を掲載している。

2013年に招集された現在のキング・クリムゾンのラインナップだが、その中で最も衝撃的だったひとつとしてメルの復帰が挙げられる。

一時はバンドから距離を置いていた彼だが、現在のバンドについて、ツアーを続けていく中でさらに良くなっていく実感はあるのだろうか。メルは以下のように答えた。

こんなにいいものになるとは、最初はまったく予想もしていなかったかな。

新しくツアーを始めるたびに、新たなアイディアが湧いてくる。特に僕はロバートから自由にやっていいと言われているので、本当にやりやすいんだ。

僕にとっては今までの演奏環境の中でも一番じゃないかな。僕は70年代にも一時期、クリムゾンに加入していたけれど、当時はみんなまだ若くて、経験も足りなかった。それが今になって、再びこのバンドで活動できるというのは、完璧なタイミングだったね。


当時はバンドの舵を取るロバート・フリップとの確執などもあったメルだが、現在に至るまで様々なミュージシャンやアーティストと共演してきた。

そんな彼が、今後バンドでなにをやっていきたいか訊かれると「演奏を続けて、もっとうまくなりたい」と口にした後、以下のように続けている。

(中略)要するに、今のクリムゾンは僕にとって、ベストなバンドということなんだ。それは、このバンドに関わってくれる人みんなのおかげなんだけどね。

ツアーも終わりにさしかかると、「もうこんなところから抜け出したい」って、家に帰ることだけが楽しみになるものなんだ。

でも、またこのメンバーで集まると、毎回、心からワクワクするんだよね。今までのバンドだと、気が進まないなと思いつつリハーサルやツアーに重い足を運ぶこともあったけれど、クリムゾンの場合はとにかく楽しみなんだ。

ロバートにはいつも新しいアイディアがあるし、ほかのメンバーのアイディアも積極的に取り入れてくれる。本当に、これ以上いい環境はあり得ないね。


一方、現在のラインナップが再結集するキーマンともなったジャッコのインタビューでは、今回のツアーでマネージャーを務めるデヴィッド・シングルトンとともにその経緯や、ツアーのことについても語ってもらっている。

今回のジャパン・ツアーでも各公演でセットリストが異なっていることが大きな話題となったクリムゾンだが、実際のリハーサルでは膨大な楽曲を試していくのだろうか。

それなりにやってきて、現時点ではいつでも演奏できるレパートリーは45曲くらい揃っているんだ。そこに毎年2、3曲ずつ加わっていく感じで、昔の曲を探す場合もあるし、新しい曲を書く場合もある。

最近では“突破口”のリハーサルをやっていて、これなんかは、ドラムはドラム隊でリハーサルをやって、僕はロバートとビル(・リーフリン)とでリハーサルをやるという感じなんだ。そしてその後、みんな合わせてのリハーサルをやるという感じだね。

(中略)というのも、全員揃ってのリハーサルというのはなかなか込み入ってて、費用的にも大変だからね。全員が世界中の各地に住んでるから。そうやって断片的に練習してそれを積み上げていくっていう感じなんだよ。


インタビューの最後でジャッコは、今のバンドの仲の良さを表すような一幕について明かしてくれた。

(中略)当初はこのバンドを招集して、その後はこのバンドがもう独自の勢いを生み出してしまってるからね。

だから、今ではツアーの日程の一塊をやり終えると、みんなで集まってシャンパンで乾杯するんだけど、ロバートが「これは素晴らしいから、もっとやろうよ!」って声をかけるんだ。みんな「もちろん」と思うし、いやだという人はいないよね。


今回の2本立てインタビューのほかにも、昨年11月27日のBunkamuraオーチャードホール公演のライブ・レポートも掲載している。

引く手数多の名手たちが揃い、充実した時期を迎えているキング・クリムゾン。『ロッキング・オン』2月号にて2人の、そしてバンドの知られざる物語に触れていただきたい。



キング・クリムゾンのインタビュー記事は現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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