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きっかけはマキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)が日清食品「カップヌードル コッテリーナイス」新CMの「アウトサイダー広告代理人」に就任したこと。「アウトサイダー広告代理人」とは何ぞや?とは、腹ペコなら誰もが知っているとは思うが、昨年「発刊」された彼らの新作『これからの麺カタコッテリの話をしよう』をチェックしてほしい。彼らの魅力として、楽曲やライブ以外に、脈々と続き広がっていく物語を並走する面白味があるが、この就任は、それが夢想ではなく生々しいものであると知らしめる壮大さがあると思う。
そして、マキシマムザ亮君はこの「カップヌードル コッテリーナイス」からインスピレーションを受け、「フランチャイズ制」に踏み切ったのだという。カップヌードルとロックバンド……全く違うものをつなげてしまうマキシマムザ亮君の想像力には、改めて脱帽だ。これ、多くのビジネスマンにとって、というか生きとし生きるすべての人にとって、ヒントになると思う。想像力って本当に大事、いや、マジで。
ぶっ飛んだ想像力で、「フランチャイズ制」という商売っぽい言葉をもアーティスト活動へと変えてみせたマキシマムザ亮君。ビジネスとアートの境界線を、これほど違和感なく越えていける人は、他にいないということを証明してみせた。そして、どのように「フランチャイズ制」を行うのかというと、「2号店」として活動するバンドメンバーを募集し、マキシマム ザ ホルモンの原曲を自由に使っていい権利を与えるのだそう。これは、マキシマム ザ ホルモンというある種の「ブランド」に、自信があるからできることだろう。自らの歌唱力に自信があるアーティストが、名曲をカバーする企画はたくさんあるが、自らの楽曲を「カバーしてください」と差し出すアーティストは、そうそういない(むしろ、原曲を壊されることに抵抗があって「カバーしないで」というアーティストもいるだろう。また、アマチュアのバンドに「コピーしてほしい」というバンドはたくさんいるが、それは「みんなバンドやろうぜ!」という話でもあると思うので、少々ニュアンスが異なる)。この「ブランド」を任される「2号店」のメンバーは相当なプレッシャーだろう……いや、プレッシャーを感じないような、強くて無邪気なメンバーが集まることを期待している。
なお、「2号店」が活動の拠点とする都道府県では、本家マキシマム ザ ホルモンはむこう5年間、ライブをしないのだという。ビジネス? 遊び? いずれにしても、本気でこの企画に向き合っていなければ、ここまでできるはずがない。せっかくなら、腹ペコとしても、本気で彼らのたくらみを喰らい尽くそうじゃないか。(高橋美穂)