ずっと真夜中でいいのに。の新作『今は今で誓いは笑みで』がオリコン週間1位獲得。その登場は何を告げるのか?

ずっと真夜中でいいのに。の新作『今は今で誓いは笑みで』がオリコン週間1位獲得。その登場は何を告げるのか?
ずっと真夜中でいいのに。が先日リリースした2ndミニアルバム『今は今で誓いは笑みで』が、初週売上2.1万枚で、6月18日発表の最新オリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得した。(オリコン調べ<6/24付:集計期間:6月10⽇〜16⽇>)

ボーカルの譜割りが細かく、まるで全箇所がサビみたいに情報量の多いメロディ。(楽曲やアルバムのタイトルからもわかるように)耳なじみのある単語同士を意外な組み合わせで使用することによる、「声に出して読みたくなる」要素満載の言葉選び。編曲を外部アーティストに託すことによって実現可能となった、アレンジ面における幅広いアプローチ。歌いたくなる、何度も聞きたくなる、それでいて飽きにくい楽曲群は、’00年代以降のJ-POP/ボーカロイド文化の系譜を正統に受け継いだもの。癖がなくクリアな発音のボーカルは聴く人を選ばない。

以前の記事でも紹介したように、ずっと真夜中でいいのに。とは、ボーカルをつとめるACAねが作詞・作曲を手掛けていること以外ほとんど詳細が不明なアーティストである。しかし、それでもオリコンで週間1位を獲っているし、Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」で1位を獲得したこともあるし、ワンマンライブはソールドアウト続き――言い換えると、音源は購入されているし、ストリーミングでも多く再生されているし、ライブパフォーマンスを生で観たいという人が多くいるという現状がある。

視覚的要素のあるMVに関しては、アニメーションとの相互作用が話題を呼んだ感じがあるが、上記のように結果が出たことに関しては、ひとえに楽曲のクオリティの高さによるところが大きい。今年1月、渋谷CLUB QUATTROでのライブで“秒針を噛む”(ずっと真夜中でいいのに。が最初に発表した曲である)が披露された時、イントロが鳴らされたその瞬間から観客の異様な熱を感じたというか、「待ってました!」的な勢いがそのままフロアの盛り上がりに直結していたことが印象に残っている。あの光景も、曲の良さが大前提にあるからこそ生まれたものだった。


その勢いはとどまるどころか日に日に加速していく一方。ずっと真夜中でいいのに。の今後の展開を引き続き楽しみにしていたい。(蜂須賀ちなみ)
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