ミュージシャン・菅田将暉の“まちがいさがし”の旅はどこへ続くのか?

ミュージシャン・菅田将暉の“まちがいさがし”の旅はどこへ続くのか?
受け手の心を唯一無二の表現力で揺さぶり、絶大な支持を得ている俳優・菅田将暉。表現者として、俳優だけでなくミュージシャンとしても活動しファンの幅を広げているが、音楽という自己表現をもってしてリスナーに訴えかける彼とは一体どんな人物なのか?
本コラムでは、ミュージシャンとしての菅田将暉に焦点を当て綴っていく。

1stシングル『見たこともない景色』で音楽デビュー。当時のインタビューでは今までに身を置いてきた俳優業と始めたばかりの音楽業の両方について考え、音楽分野をどう思っているかと聞かれた際には「心動くまま、自由に走れるようなものでありたい」と答えていた。
本シングルの発売記念リリースイベントでは、「今日はある意味、ミュージシャンとしての旅立ちの日でもある」と言った後、アコースティックギターでの弾き語りカバーを披露。その後のインタビューによると、音楽をやり始めたことがきっかけで、様々な役を代わり替わりに演じる俳優・菅田将暉という実体の存在しない人物像に日が差した時、影が生まれるようになったという。音楽で形を得たことに、今までにない喜びを感じていたようだ。
当時、既に彼を知る者は俳優・菅田将暉としての類稀なる魅力を知っていたし、私もその一人だった。だからこそ、違う分野でも彼は新しい一面を見せてくれるだろうとも思っていた。結果、私たちが想像しえないほどのエネルギーでひた走っていく彼を見て、ミュージシャン・菅田将暉のかき鳴らす音楽の残響が鳴りやまぬ中、彼とはどこまでも生粋の表現者なのだと再確認することになる。


菅田は「音楽は隠しようがないパーソナルな部分が出てしまうもの」とも話し、単純でシンプルなものが好きだという言葉通り、無骨でありながら人間味のあふれた楽曲を歌い上げるその姿はデビューから変わらず人々の胸を強く打つものとなった。
私が初めて彼の人間性を音楽で感じたのは、1stアルバム『PLAY』の楽曲たちだった。こんなにもリスナーとのパーソナルな距離を縮めて音楽を奏でる彼を見た(聴いた)のは初めてで、今でもその感動を思い出す。
菅田将暉は私が思うよりずっと、人間らしく生きていたのだ。

そんな折に米津玄師とのコラボレーションで生まれた楽曲“灰色と青”は、「どうしても菅田くんに歌って欲しかった」と米津たっての希望で実現した作品。取り繕わない歌声で、米津の紡いだ男友達の絶妙な距離感とそのロマンチシズムを堂々と歌いきってみせた。
エンターテインメントに身を置く俳優である中で、本人の質に近いものというのは伝わる人には伝わるのだという実感が持てた、とオファー時の心境を語る姿からは、音楽活動において常に一人の人間としての自身を大切にしていることが伺える。いうなれば人間・菅田将暉だ。私はこういった彼の一面を音楽で垣間見られたことが嬉しかった。ずっと人間としての菅田に興味を持ち続けていたからだ。
米津とのコラボではいつにも増して人間味にあふれた彼の、呼吸を、歌声を聴けた。きっと、彼をプッシュするリスナーなら皆が喜ばしく思えたことだろう。そんな音楽を創り上げたのが米津であったということも、息のぴったりと合った楽曲がまるで二人の出会いを祝福しているかの通り、運命的であったといえる。


2019年8月~9月には、米津玄師、あいみょん、秋田ひろむ(amazarashi)ら多数アーティストから提供された楽曲を含む2ndアルバム『LOVE』を引っ提げ「菅田将暉 LIVE TOUR 2019 “LOVE”」を敢行。以前のライブとの違いについてより一体感を感じられ、観客も自分自身も楽しめたと語った。
アルバムを聴いて改めて、生きる喜びも苦しみも分け隔てなく歌いきる菅田将暉の音楽が好きだと思った。やっぱり、飾っていない。いつかライブでの一体感の中に混ざり、ステージで光に弾ける瞳を覗いてみたいと強く感じる最近であった。

生の自分でありたい、何よりも楽しい時間を過ごしたいという思いのもとに音楽活動を続けていく菅田将暉は、今年の大晦日に放送される『第70回NHK紅白歌合戦』に出場が決まっている。
俳優だけでなく、音楽という新たな表現を手にした菅田は、今年の締め括りにどのように“まちがいさがし”を披露してくれるのか。楽し気に歌いながら、どんな飾らない思いを私たちに届けてくれるのか。
常に進化し続けながらも人間としての軸を忘れず生き、表現を試みていく菅田将暉から今後も目が離せなくなりそうだ。(安藤エヌ)

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