ミレニアル世代の代弁者=The 1975は、この世界をどう見極めたのか――ダウナー・ピリオドを体現したロンドン&マンチェスター・ライブをレポート!

ミレニアル世代の代弁者=The 1975は、この世界をどう見極めたのか――ダウナー・ピリオドを体現したロンドン&マンチェスター・ライブをレポート! - 『rockin'on』2020年5月号より『rockin'on』2020年5月号より

The 1975の待望のニュー・アルバム『Notes On a Conditional Form』は、当初の予定の2月21日からリリースの延期が明らかになっていた。もちろんレコーディング自体は終わっており、今回のライブ・レポート(2月21日のロンドンO2アリーナ、28日のマンチェスタ・アリーナ)でも新曲のプレイについて記されている。

しかし新曲を多数プレイしながらも明確な新作ツアーではない現在のThe 1975のライブに対して、「全体像がつかめない」ライターの混乱がうかがえるのも興味深いのだ。

続々と先行公開されている新曲もまた、激烈ハードコア(“People”)や内省のエレクトロニカ(“Frail State of Mind”)や甘酸っぱいギター・ポップ(“Me & You Together Song”)に不気味なサイファイ・カントリー(“The Birthday Party”)と全く一貫性がなく、聴けば聴くほどアルバムの全貌が遠ざかっていく感覚にすらなる。

『ネット上の人間関係~』の連作としての手堅い予想が次々に覆されている今、彼らが再び事件としての傑作を仕掛けようとしているのは疑いようがなくなってきた。The 1975を包む混沌は、凄まじい期待へと高められていくのだ。 (粉川しの)



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