マシュー・ヒーリー:2020年代、もっとも自分を偽らないロックスター。バンドの全キャリアから、その大いなる謎に迫る決定的ドキュメント後編!

マシュー・ヒーリー:2020年代、もっとも自分を偽らないロックスター。バンドの全キャリアから、その大いなる謎に迫る決定的ドキュメント後編! - rockin'on 2024年1月号 中面rockin'on 2024年1月号 中面

現在発売中のロッキング・オン1月号では、The 1975:マシュー・ヒーリーのドキュメントを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。



「もし好きなバンドがいて、今まで普通に会話してたはずが、あるときから金や名声ばっかりチラチラ見出したらどう感じる?
そしたら『あ、そういうこと。だったら、こっちは近場で好きなバンドを探すわ』ってなるって」


O2アリーナ公演の翌日、穏やかで過ごしやすい霧雨に包まれたロンドン:ノッティング・ヒルにある会員制レストランでマシュー・ヒーリーと再会した。古風な壁紙と額に入った白と黒のプリント画に囲まれた中で、ブロンドの髪を綺麗に巻いた若い母親たちが子供にスクランブルエッグを食べさせている。マシューはパリッとした白のスーツにピカピカの靴という正装姿で登場すると、オレンジジュースとステーキを注文した。

「またステーキですか?」と訊ねると、彼は「サーカスの家」の出身なので筋肉をつけるためにプロテインを多めに摂取する必要があると語った。「うちの祖父母がサーカス一座の出なんでね。両方ともアイルランド系の旅芸人の家系なんで。大道芸人譲りの筋骨隆々な先祖の血が流れてるわけさ」

実際、彼の家系には数多くのパフォーマーが含まれる。母方の祖父のヴィン・ウェルチはドラァグクイーンとして人気を博した人で、両親は共に俳優である。父親のティム・ヒーリーは元々は溶接工だったが、その後コミュニティホールを中心に活躍する劇団に所属し、ニューカッスルで開かれたオーディションで、10代の頃から舞台に立っていた母のデニース・ウェルチと出会う。そしてふたりが結婚した1年後の1989年にマシューが誕生した。

両親は共に役者としてテレビに出演しており、労働者階級のヒーロー的存在として知られるようになった。そのため幼少の頃は、両親が町中で見知らぬ人から声をかけられるたびに、両親の手を握りしめたままその場で話が終わるのを待つことが日常茶飯事だったと言う。さらに自分以外の他人のフリをすることで生計を立てている両親の元に育ったことで、子供ながらに困惑する場面が多々あった。
(以下、本誌記事へ続く)



The 1975:マシュー・ヒーリーの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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