ザ・ビートルズやボブ・ディランといった著名アーティストを撮影した写真家のフィオナ・アダムスが、84歳で逝去したと報じられた。
「Ultimate Classic Rock」によると、フィオナの息子であるKarlが、現地時間6月26日にフィオナが膵臓がんとの闘いの末に息を引き取ったと明かしている。
英ロンドンのイーリング・アート・カレッジで写真を専攻したフィオナは、卒業後となる1960年代に、ロンドンを拠点にした「Boyfriend」誌で働いてるときに転機が訪れ、ザ・ビートルズを撮影することになったとのこと。
フィオナはありきたりなスタジオ撮影ではなく、バンドをロンドンにあった爆弾の廃墟地へ連れて行き、メンバーが思いっきりジャンプしている瞬間を捉えた。
生前フィオナは、この撮影について「The Guardian」のインタビューで次のように語っていた。
「重いカメラ・ケースを担いで、爆弾でできた穴へ降りて行ったの。大量の瓦礫や残骸が底にあって、その上にメンバーは辛抱強く立っていた。空と建物を背景にしたシルエットが美しかった。
私はカメラを設置して叫んだの。“ワン、ツー、スリー、ジャンプ!”ってね。そしたら彼らがジャンプしたの。2回ね。キューバン・ヒールの靴だったわ。(ジャンプして)安全かどうか確認しようとも思わなかった」
そして、この写真を大いに気に入ったメンバーは、EP『ツイスト・アンド・シャウト』のジャケット写真に使うことを決めたという。
その後もフィオナは何度もザ・ビートルズと一緒に仕事をし、ザ・ローリング・ストーンズやボブ・ディラン、デヴィッド・ボウイ、ジミ・ヘンドリックスといったレジェンドたちを撮影し、活躍した。