デヴィッド・ボウイの長年のコラボレーターだったトニー・ヴィスコンティが、ボウイが初めてジョン・レノンに会った際のシュールな想い出を語っている。
「FAR OUT」によると、BBC Radio 6 Musicの特別番組『Bowie: Dancing Out in Space』に出演したヴィスコンティが、2人が初対面を果たしたときのことを振り返っていたという。
その当時、ボウイは1975年の曲“Fame”でジョンとコラボレーションする予定で、レコーディングの前に打ち解けておくべきだと、共通の知人がニューヨークのホテルで会うお膳立てをしてくれたとのこと。しかし、ジョンとの対面に腰が引けていたボウイは、ヴィスコンティに同行を頼んだのだという。
「朝の1時頃に私がドアをノックしたら、それから2時間ほどジョン・レノンとデヴィッドはお互いに話をしなかった。その代わりにデヴィッドは画用紙と木炭を手に床に座り、スケッチをして完全にレノンを無視してたんだ。
それから2時間ほどして、ついにジョンがデヴィッドに、『その画用紙を半分に破って何枚かくれよ。君を描きたいんだ』と言った。するとデヴィッドが、『それはいいアイディアだね』と答えて、やっと言葉を交わしたんだ」
ヴィスコンティは、その後に2人がどうなったか話を続けている。
「それで、ジョンがデヴィッドの似顔絵を描き始めて、デヴィッドも同じようにジョンの顔を描いた。それから2人は絵を交換し続けて笑い始め、打ち解けていったんだ」
最後にヴィスコンティは、2人が体験した少しシュールな初対面が、1980年にジョンが亡くなるまで続いた素晴らしき友情の土台になったと締め括っていたそうだ。
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