ダニー・エルフマン、恐るべき新作と共に帰還! オインゴ・ボインゴ最後のALリリースから27年、そしてソロALから37年

ダニー・エルフマン、恐るべき新作と共に帰還!  オインゴ・ボインゴ最後のALリリースから27年、そしてソロALから37年

6月11日にリリースされるダニー・エルフマンの新作『Big Mess』がヤバい。ダークで不吉でカオティックで禍々しい、異形の狂気。強迫的なインダストリアル・ビートと壮大なオーケストレイションの対比が、憎悪と絶望、退廃と悪夢の果てを劇的に演出する。これは我々を取り巻く現実という名のディストピアだ。

ダニー・エルフマンといえば、ティム・バートン、サム・ライミ、ガス・ヴァン・サントといった映画監督の作品には欠かせない映画音楽の第一人者である。と同時に、LAを拠点に人気を集めたニュー・ウェイブ・バンド、オインゴ・ボインゴのフロントマンだった人物でもある。オインゴは80年代から90年代にかけて7枚のアルバムを発表し95年に解散するが、ダニーはオインゴ在籍中から映画音楽を手がけるようになり、既に100本近い作品に名を連ね、何度もオスカーの候補にもなっている。

そんな彼が、映画音楽ではないボーカル入りのポップ・アルバムとしてはオインゴの最後のアルバム『Boingo』(1994)以来27年ぶり、ソロとしてはなんと37年ぶりのアルバムをリリースするのである。なぜこの時期にソロ・アルバムなのか。その経緯については明らかにされていない。

だがアルバム、そして悪夢が増殖していくような一連のMVを体験すれば、この37年間の間にダニーがその内奥に溜め込んできた、怨念に近いような思いをヒシヒシと感じることができるだろう。普通なら枯れてもおかしくない、当年とって68歳の男の抱えている闇の大きさに戦慄する。

映画音楽作家として培ってきたさまざまなスキルや経験値が、すべて注ぎ込まれた非常に重厚かつ多彩で完成度の高いハイブリッドなサウンド・プロダクションは圧巻の一言。

オインゴ・ボインゴのポップで明るくエネルギッシュなサウンドとも、37年前のソロ・アルバムともまったく違うので、これは新たな価値観を携えたオルタナティブ・ロック・アーティストの誕生と言っていいだろう。全18曲入りの大作。震えて待て。(小野島大)



ダニー・エルフマンの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。


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