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スティーヴ・ジョーダン
あまりそういうイメージがないかもしれないが、じつは良いドラマーにはプロデュース・センスに長けた人も多い。サウンドの土台を構築するから全体を見渡す能力を身につけていくのだろうが、その好例にあげたいのがスティーヴ・ジョーダンだ。プレイヤーとしては十代でスティーヴィー・ワンダーのバンドに加入(!)、その後TVの『サタデー・ナイト・ライブ』や『レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』のハウス・バンドに抜擢されるのだから天才少年と言われるのも当然だろう。
しっかりとしたテクニック、ルーツ・ミュージックから現代的なものまでナチュラルにカバーする懐の深いドラム・プレイは共演者たちの信頼を得ているが、とくに深く共鳴し合ったのがキース・リチャーズで、初のソロ・アルバム『トーク・イズ・チープ』では共同プロデューサー、全曲共作という大きな仕事を果たしている。
他にもジョン・メイヤー・トリオでのプレイも重要な役割を担っているしプロデューサーとしてボブ・ディランやニール・ヤング、ドン・ヘンリーといった大物たちともやったかと思えばシェリル・クロウからジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンまで手がけたりと幅広く、さらに妻のミーガン・ヴォス、奥田民生がメンバーのThe Verbsとしても活動している。まだまだこれから重要な仕事を残していきそうな人だ。(大鷹俊一)
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