【JAPAN最新号】エレファントカシマシという名の運命、そして明日。33回目の野音公演「祝・日比谷野音 100周年 日比谷野外大音楽堂 concert 2023」レポート

現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』12月号にエレファントカシマシの日比谷野音公演レポートを掲載!

エレファントカシマシという名の運命、そして明日。33回目の野音公演「祝・日比谷野音 100周年 日比谷野外大音楽堂 concert 2023」レポート

文=天野史彬 撮影=岡田貴之


2023年10月8日、エレファントカシマシは日比谷野外大音楽堂で約3時間にわたってライブを行い、計30曲を演奏した。演奏される楽曲は、その長いキャリアのあらゆる時期から満遍なく、バンドの歴史と、音楽が抱く特別な時間の流れを噛み締めるようにして、選ばれていた。

この日の東京の天気は雨だった。私が開演時間の17時より30分ほど前に野音に到着すると、入場口の周辺には雨具を身に着けたたくさんの人がいて、その中のひとりの男性が「宮本は雨男だから」と話している声が、すれ違いざまに聞こえた。そうだったのか、と思った。今年でデビュー35周年を迎えたエレカシが野音でワンマンライブを開催するのは33回目となる。私が実際にエレカシの野音ライブを観るのはこの日が初めてで、雨の降る日に野外でエレカシのライブを観るのも初めてだった。それでも確かに、私の中にもエレカシと雨が重なるイメージは、ほんのりとだが、あった。高校生の時に初めて買ったエレカシのアルバムが、当時最新作だった『俺の道』だったからだと思う。そこには“季節はずれの男”という、雨の中で旅立つことを選ぶ男の歌があった。《雨の中俺は遠くへ出かけよう/またひとつさよならを言おう》。しとしとと雨が降る中、2023年の野音で、エレカシは“季節外れの男”を演奏していた。当時と状況はまったく違う。でも、彼らは20年前と変わらず、雨が降る日に旅に出ようとしていた。(以下、本誌記事に続く)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年12月号より抜粋)


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