現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』12月号にマルシィが登場!僕の中では、これが今までの曲の中でいちばん「ラブソングだ」と思えた。だから怖さもあったけど、自信を持って“ラブソング”と名付けました
マルシィ、3人の歌は恋愛を救う
日常に寄り添い、より深く愛を描いたアルバム『Candle』完成!
その歩みとこれからを語る
インタビュー=杉浦美恵 撮影=武井宏員
マルシィはこれまでずっと恋の切なさや愛の痛み、そして喜びを歌にしてきた。吉田右京(Vo・G)のリアルに心情や情景を綴るその歌は多くの共感を呼び、昨年は「恋の始まりから愛が終わるまでを描く」というコンセプトのもとに制作した1stアルバム『Memory』をリリースした。ひとつのテーマに貫かれた物語集のようなそのアルバムは瑞々しいポップネスを見せながらも、消せるはずのない悔恨や失ったものへの追憶、つまり「過去」を赤裸々に表現していた。
今振り返ればそれはマルシィだからこそ、吉田右京だからこその「衝動」だったのだと思う。『Memory』以降にマルシィがリリースしてきた楽曲には、その衝動の先が刻まれていた。恋を経験し愛を受け取った、あるいは失った先にある感情が、深い眼差しで描かれていったのだ。
戻らない過去を描きながらも、だからこそ「今」の尊さを感じさせる“アリカ”、恋愛に限らず何かを得るために日々自分と戦う人に向けての応援歌となった“大丈夫”はもちろん、最新リリース曲“ラブソング”は究極的だ。ストレートにシンプルに「愛」を歌う曲だが、その眼差しは明確に「未来」に向く。そんな『Memory』以降の、マルシィの愛に溢れた楽曲たちが集大成的に詰め込まれたのが新作アルバム『Candle』だ。歌詞の深まりはもちろんのこと、楽曲のテーマを表現するバンドサウンドの進化、多様化にも注目してほしい。マルシィのアンサンブルが表現するもの、それも紛れもなくLOVEなのである。
マルシィの恋愛曲は、今なぜさらなる深みや広がりを見せているのか。その成熟の意味を探るべく、レコーディングが完了してすぐのタイミングで全員に話を聞くことができた。メンバー全員がこの作品に大きな手応えを感じているのがわかる。できたばかりの『Candle』、そのあたたかさの理由に触れるインタビュー。ぜひじっくり読み込んでほしい。(杉浦美恵)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年12月号より抜粋)
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