元スミスのジョニー・マーは、イギリスのデヴィッド・キャメロン首相のスミスを深く慕っているという発言を批判したが、やはり元スミスのモリッシーがこのジョニーの対応を支持している。また、動物愛護主義者としても知られるモリッシーは自身のファンサイト、Truetoyou.netに寄せた長大なメールで、キャメロン首相を「鹿を狩っては殺している」として批判している。
イギリスでは禁猟法が04年に施行されてから猟犬を使っての狐狩りなどのハンティング・スポーツが禁止されているが、先の総選挙で政権をとった保守党とイギリス自由民主党との連立政権では04年の禁猟法を廃止する議決を行う合意をしている。一方、モリッシーはもともとスミス時代より動物愛護を訴えていて、スミスでもそんなモチーフを作品化してきてもいるので、狐狩りが好きだと公言してきたキャメロン首相が同時にスミスも好きなどということはありえないというのがジョニーのキャメロン批判の趣旨だ。ジョニーは自身のツイッターでこうキャメロン首相を批判していた。
「デヴィッド・キャメロン、スミスが好きだと言い張るのはやめろ。好きでもないくせに。ぼくが好きになることを禁じる」
その後、モリッシーは次のようにジョニーのツイートを支持した。「もし許されるというなら、ぼくは先にメディアでデヴィッド・キャメロンを批判したジョニー・マーを支持したいと思います。デヴィッド・キャメロンがこれまでスミスの音楽に対して大きな忠誠感を感じると表明しながらも、ジョニーがこうしたコメントを出したことを憂慮する向きもありますが、ジョニーがどうしてデヴィッド・キャメロンのこうした美辞麗句にひれふさないかをぼくから説明させていただきたいと思います」。
「音楽が普遍的な言葉であることは確かです、むしろ、これは唯一の普遍的な言葉でもあって、多少なりとも、すべての人に共有されるものになっています。しかしながら、あまりにもおぞましいことに、このデヴィッド・キャメロンという輩は鹿や動物を狩っては殺し撃っては殺し、それが楽しいと公言している人物なのです。“ミート・イズ・マーダー”や“ザ・クイーン・イズ・デッド”などといった作品はそういう人が聴くものとしてレコーディングされたものではないのです。むしろ、そうした形での暴力への反発として生まれた楽曲だったのですから」。
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