ザ・ローリング・ストーンズのキース・リチャーズは1973年にロンドンで薬物の不法所持で逮捕されるという事件を起こしているが、この時の事件の資料がイギリス公文書館により今週から公開されることになった。キースにとってこれは1967年の薬物不法所持による逮捕以来2度目のガサ入れで、ロンドンのチェルシーに滞在していたところ警察の急襲を受け、25件にも及ぶ容疑を追及されたが、結局、250ポンド(当時のレートで約21万円)の罰金で済まされることになった。これまでキースはこの時のガサ入れは警察に仕組まれたものだと語ってきている。この時警察はマリファナ、ヘロイン、メタカロン(睡眠薬)や薬物摂取に使用する器具などのほか38口径スミス・アンド・ウェッソン製リヴォルヴァー式拳銃や散弾銃と弾薬110発分を押収したことが資料によって明らかになったとザ・ガーディアン紙が伝えている。この時の取り調べでチャールズ・オハンロン刑事はキースからこうした諸々の薬物はマーシャル・チェスのものだという説明を受けていたことが今回の資料の公開で明らかになっている。チェスはブルースやR&Bの名門レーベル、チェス・レコードの創立者レナード・チェスの息子で、父レナードの死後、ローリング・ストーンズ・レコードの創設にあたって初代社長に就任していた人物だった。ガサ入れが行われた住居もチェスのものだとキースは説明し、「俺たちにはなにも関係ないんだ。マーシャル・チェスがこの場所を借りていて、昨晩転がり込んだばっかりなんだ」と語ったという。なお、キースやほかのストーンズの面々は1971年以降、イギリスから住まいを外国に移していた。また、キースはヘロインを火であぶりながら水に溶かすのに使った金属製のスプーンを処分しようとして、使用人に自分と交際相手のアニタ・パレンバーグ用に飲み物を用意させ、そのスプーンを使ってかき混ぜようとしたがその前にスプーンをオハンロン刑事に取り押さえられたという。さらに拳銃についてキースはサンフランシスコでバンドのツアーのローディーのリロイ・レナードに買わせたものだと説明し、ジャマイカ滞在の際に自身の警護のために必要だったと語ったという。「いろいろ面倒なことが多い土地で、住んでみればわかるけど、自分の身を守るには一丁持っていた方がいいんだよ。それで万が一に備えて用意したんだ」。実際、この前年からキースの逮捕の直前までストーンズはジャマイカに滞在して『山羊の頭のスープ』のレコーディングを行っていた。
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