Mrs. GREEN APPLEがポップシーンの王者であることに異を唱えるものは最早この日本にはいないだろう。だからといってアルバムタイトルに『POPS』と銘打つのは、決して簡単なことではない。「ポップス」とは一体何か? それはあまりにも深遠なテーマだ。辞書的な意味こそあれ、その解釈は100人いれば100通りある。絶対的な答えはない。では、Mrs. GREEN APPLEがこのアルバムやその活動で表現しようとしている「ポップス」とは何か。それは大衆と向き合う姿勢であり精神性だ。「誰も置いていきたくない」と大森元貴は言う。普通に考えたらそんなことは無理である。置いていかれたくないから私たちは何かのカテゴリーの中に入る。狭い範囲でなら置いていったり置いていかれたりせずに済むからだ。でも大森の言う「誰も」は、そんなカテゴリーを無視している。文字通り、「誰も」。大衆とは、分解すれば1億2千万のマイノリティだ。その誰をも置いていかないために、Mrs. GREEN APPLEは「1億2千万分の1の自分」と向き合い続ける。自分を閉ざさず、他責に甘えないタフネスを持って。それってなんてロックなんだろう。なんてファイターなんだろう。『POPS』は、そんなMrs. GREEN APPLEのポップでロックな精神性が詰まりに詰まった一作だ。あなたはこれをどう受け止めるだろうか。あなたの心にはどんな波紋が生まれるだろうか。王者が贈る覚悟と戦いのアルバムについて、3人の戦士ととことん語り合う。インタビュー=安田季那子 撮影=村田一樹みんな自分の感覚を正当化してほしいし、認めてほしいんだろうなって思う。それを「いいよ、認めるよ」っていうのがポップス。異次元の許容がポップスなんです。だから誰も置いていきたくない。揶揄する人たちも含めて置いていかない
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年11月号より抜粋)






