イギリスのレコード・コレクター誌はザ・ビートルズの1967年の傑作『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のある限定特別ジャケットをレコード・ジャケットのなかでも最も高価なものとして選出している。
ジャケットは中央に写っているビートルズの4人の顔をレコード会社の幹部にすり替えたヴァージョンでおよそ7万ポンド(約875万円)の値がつくのではないかと鑑定されている。さらに同誌が調べたところでは、最も価値の高いジャケット・トップ10のなかにビートルズの作品が5枚も入っていることも明らかになっている。特に初期のプレスがナンバリングされたことで知られている1968年の『ザ・ビートルズ』(いわゆる『ホワイト・アルバム』)のうちでもナンバリングの最初の10枚は7千ポンド(約87万5千円)の値がつくとして2位につけている。
ほかではAC/DCが1978年にリリースする予定だったが寸前に中止になりスクラップされたという幻のベスト盤『12 of the Best』が3千ポンド(約37万5千円)、ジャズ・ミュージシャンのハンク・モブレーのブルーノート時代の57年のアルバム『ハンク・モブレー』は2千ポンド(約25万円)相当とランク付けされている。なお、AC/DCは『12 of the Best』を破棄して以来、コンピ盤を一度もリリースしていない。
『サージェント・ペパーズ』はもともとアーティストのピーター・ブレイクがデザインやコンセプトを考案したものだが、今回レコード・コレクター誌が対象にしたのは67年にアメリカのキャピトル・レコードが会社の幹部の顔写真を使って特別に製作したヴァージョンで、およそ100枚が配られたというが現在ではわかっているもので3枚しか現存していない。
ビートルズに関しては先頃、ポール・マッカートニーが正体不明のドラマーにオーディションをもちかける手紙が11月9日にオークションにかけられることが明らかになり、およそ9千ポンド(約112万5千円)で落札されるのではないかと見込まれている。また、9月にはビートルズが黒人と白人とで人種的に仕切られた観客の前で演奏することを拒否したことを記した文書が2万3千ドル(約179万4千ドル)で落札されている。
最も価値の高いレコード・ジャケット・トップ10は以下のとおり:
1. The Beatles – 'Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band' (limited edition Capitol version) (£70,000)
2. The Beatles – 'The Beatles' (£7,000)
3. Madrigals – Magic Key To Spanish Volumes 1 and 2 (£3,500); The Nation's Nightmare (£3,000)
4. The Beatles – 'Introducing The Beatles' (£3,000)
5. The Beatles/Frank Ifield – 'England's Greatest Recording Stars: The Beatles & Frank Ifield On Stage (£3,000)
6. Tinkerbell's Fairydust – 'Tinkerbell's Fairydust' (£3,000)
7. AC/DC – '12 Of The Best' (£3,000)
8. The Beatles – 'Yesterday And Today' (£2,000)
9. Dark – 'Dark Round The Edges' (£2,000)
10. Hank Mobley – 'Hank Mobley' (£2,000)
(c) NME.COM / IPC Media 2011