ザ・ビートルズ『アビイ・ロード』が発表されてから今年で50周年を迎え、9月27日に同アルバムの50周年記念エディションがリリースされた。
「Radio X」では、有名な同アルバムのジャケットについて「あなたが知らないであろう10のこと」と題した記事を紹介。ここではその内の7つをご紹介する。
1. アビイ・ロードの正確な交差地点は?
ビートルズのアルバム・ジャケットに登場する前、アビイ・ロードといえばローズ・クリケット・グラウンド(ロンドンにあるクリケット競技場)から目と鼻の先にある、ということしか取り柄はなかった。アビイ・ロードはロンドン北西部のセント・ジョンズ・ウッド界隈にあるグローブ・エンド通りの交差点に位置している。2. アルバムは「アビイ・ロード」というタイトルではなかった?
もともとアルバムは、サウンド・エンジニアのジェフ・エメリックが吸っていたタバコにちなみ「Everest」とするアイデアが浮上し、ヒマラヤ山脈の麓でカバー写真を撮影する案も挙がっていたそうだ。しかし、バンドはより簡単な計画に変更してスタジオの外で撮影し、「アビイ・ロード」と呼ばれることになったという。ちなみにビートルズのアルバムでジャケットにタイトルもバンド名も記載されていないのはこのアルバムだけである。
3. ジャケット用に撮影された写真は6枚だけ?
交通事情は50年前と異なるとはいえ、当時もアビイ・ロードは交通量が多かったため、写真家イアン・マクミランがジャケット用に撮影した写真は6枚のみだった。警察が交通を止め、その間に脚立に上ったマクミランが横断歩道を3往復するメンバーを撮影したそうだ。4. ジャケットに小さく写っている人たちの正体は?
ジャケット左側のスタジオの門の前に3人の男性の姿が見えるが、彼らは1969年8月8日、午前11時半ごろに休憩のため外にいたデコレーター(店舗のショーケースやショーウィンドウを装飾する人)だという。そして、その反対側でパトカーの傍に立っている男性はアメリカ人観光客で、たまたま横断歩道の方を見たらメンバーが通りを渡っていたそうだ。5. ジャケットから当時噂された「ポール死亡説」、その原因は?
1969年の終わりに「実はポール死んでいて、『アビイ・ロード』のジャケットの彼は本人ではなく替え玉だ」との説が囁かれていた。その理由は、ポールだけ裸足で他のメンバーと区別されているほか、背後に写っているフォルクスワーゲンのビートルのナンバープレートが「28IF」で、その数字とアルファベットが「もし(IF)ポールが生きていれば28歳だった」と意味しているのではないか、と考えられたからだという。また、右車線に駐車されているパトカーが交通事故での死を象徴しているとの説も浮上し、さらにメンバー4人はジョージが墓掘り人でポールは死者、リンゴが信徒、そしてジョンは牧師で葬列を表しているのでないか、とも言われていたそうだ。
6. メンバー3人はブランド物のスーツを着用していた?
ジョン、ポール、リンゴはウェールズ出身のデザイナー、トミー・ナッターのスーツを着用したそうで、ジョージだけ上下デニムのコーディネートで撮影に望んでいる。7. (アビイ・ロードでの撮影は)ビートルズによる最後の写真撮影ではなかった?
メンバー4人が揃ってスタジオに入ったのは『アビイ・ロード』が最後だったにもかかわらず、アルバム・ジャケット撮影はこれが最後ではなかったとのこと。1969年8月22日にバークシャー州アスコットにあるジョンの家で、メンバー4人の他にオノ・ヨーコとリンダ・マッカートニーも加わって撮影を行っており、その写真は後にコンピレーション・アルバム『ヘイ・ジュード』のカバーで使用された。残る3つのトピックについては「Radio X」の記事にて確認できる。
10 things you didn’t know about The Beatles’ Abbey Road album cover
なお、『アビイ・ロード』のジャケットにまつわる話題として、先日自動車メーカー、フォルクスワーゲンのスウェーデン支社が、ジャケット写真にて違法駐車している同社のビートルを修正したバージョンを公開して話題となっている。
ザ・ビートルズ『アビイ・ロード』の巻頭記事は現在発売中の『ロッキング・オン』11月号に掲載中です。
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