4月21日のレコード・ストア・デイにリリースする限定アナログ・コンピレーション盤『Flaming Lips and Heady Fwends』について先頃明らかにしたザ・フレイミング・リップスだが、ヴォーカルのウェイン・コインは収録トラック"2012"で共演したケシャとコラボレーションをさらに続ける可能性があると語っている。
バンドは"2012"ではケシャのほかビズ・マーキーを客演に迎えているが、ケシャとのレコーディングはナッシュヴィルで2月に行ったものだったとウェインは語っている。「ぼくたちのファンであるのは知ってたんだ。すごい楽しい子だし、クレイジーだし、いろんなアイディアに対してもオープンで、クリエイティヴなんだよ。みんなが知らない顔をたくさん持ってるんだ」。そして、今後さらにケシャの新作でもコラボレーションをまた続けようかと話し合っているところなのだとウェインはローリング・ストーン誌に説明している。
また、コンピ盤でロバータ・フラックの"愛は面影の中に(The First Time Ever I Saw Your Face)"のカヴァーを試みたエリカ・バドゥともいつもまたなにかをやってみたいと話し合っているとウェインは語っていて、さらにコスタリカで開催されたフェスティヴァル・インペリアルではTV・オン・ザ・レディオやディプロとも知り合い、早速共同作業の話をしているとのことだ。こうした場合にはウェインの方から音源を送ると積極的に持ちかけると相手もすぐに乗ってくれるとウェインは説明していて、とにかくダメもとで試してみることがものをいうのだとか。
その一方でミュージカル版の制作が進んでいた2002年のコンセプト・アルバム『ヨシミ・バトルズ・ザ・ピンク・ロボッツ』がいよいよ仕上げに近づいていて、11月にカリフォルニアにあるラ・ジョラ・プレイハウス劇場で上演が予定されているという。演出はこれまで『トミー』のミュージカル版などを手がけたデス・マッカナフが手がけているが、もともとウェインらがマッカナフにミュージカル化を持ちかけられたのはアルバムがリリースされた翌年だったという。
その時のマッカナフの入れ込みようをウェインは「話しながらもう涙ぐんでてさ、『この馬鹿野郎、本気だぜ!』って思ったんだよ」と回想している。その後、脚本をめぐってふたりは何度も打ち合わせを重ね、一時は『ソーシャル・ネットワーク』などでアカデミー賞も受賞しているアーロン・ソーキンに依頼する話にまでなったが、ソーキンが『ヨシミ』でもって同時多発テロ事件を語り直したいと切り出した時点でウェインが話を断ってしまったとか。
ウェインとしては『ヨシミ』の物語にジョージ・ブッシュが関わってきてしまうこと自体に虫唾が走ったというが、今となっては即刻断ったことを「オープンじゃなかったな」と後悔しているとか。結局、脚本はマッカナフが自ら執筆することになったという。
なお、ミュージカルには『ヨシミ』収録の作品以外にも、バンドのキャリア全般から楽曲が選ばれ使用されているが、レアものやB面曲なども含まれているとか。ただ、作品そのものはマッカナフのもので、自分のよりもマッカナフのイマジネーションを表現するものになるだろうとウェインは語っている。「ま、俺からの影響もあるけど、どっちかというと、ろくでもない方にばっかり働いてるかな」とウェインは至って謙虚にコメントしている。
『The Flaming Lips And Heady Fwends』のトラックリストは以下のとおり:
Side 1:
'2012 (featuring Ke$ha and Biz Markie)'
'Ashes in the Air (featuring Bon Iver)'
'Helping the Retarded to Know God (featuring Edward Sharpe and the Magnetic Zeros)'
Side 2:
'Supermoon Made Me Want To Pee (featuring Prefuse 73)'
'Children of the Moon (featuring Tame Impala)'
'That Ain't My Trip (featuring My Morning Jacket's Jim James)'
'You, Man? Human? (featuring Nick Cave)'
Side 3:
'I'm Working at NASA On Acid (featuring Lightning Bolt)'
'Do It! (featuring Yoko Ono)'
'Is David Bowie Dying? (featuring Neon Indian)'
Side 4:
'The First Time Ever I Saw Your Face (featuring Erykah Badu)'
'Thunder Drops (featuring New Fumes)'
'I Don't Want You to Die (featuring Coldplay's Chris Martin)'