ショーン・レノン、天然ガス開発を批判

ショーン・レノン、天然ガス開発を批判

ショーン・レノンが『ニューヨーク・タイムス』紙に寄稿をして、ガス会社による環境破壊を訴えている。

ショーンはニューヨークから北へニューヨーク州に分け入ったデラウェア郡にかつて父ジョン・レノンが母のオノ・ヨーコとともに買い求めた地所があってそこを農場として運営しているとこの記事で紹介しているが、数か月前にこの地元の集会に出席するように求められて行ってみると、その集会でガス会社が近隣の手つかずの自然を切り崩して天然ガスを掘削し、パイプラインを敷きたいという事業計画を発表したと説明している。近隣の住民には有機農業で生計を立てている所帯が多く、この事業計画に大多数が反対したものの、ガス会社の態度がどれほど反対されても必ず掘削事業に着手してみせるという強硬なものだったので自分で投稿して反対を呼びかけることにしたことを訴えている。

そこでまずショーンがやはり天然ガス開発が進められたペンシルヴェイニア州を調査してみたところ、地元で湧いていた飲料水が汚染され、さまざまな有毒ガスが大気中に放たれ、景観も破壊され、数千ものダンプや道路が縦横無尽に原生林を踏み荒らし、もはや土地としての価値も取り返しがつかないほどなくなってしまったケースなどを知ったという。ショーンは次のように天然ガス開発の落とし穴を指摘している。

「天然ガスはクリーンなエネルギーかのよう売られています。でも、岩盤を掘削してガスを取り出すと、そのガス井戸1件につき、1850万リットルもの有毒水が一緒に湧き出すことになり、『クリーン』という形容詞もにわかにディストピア的様相を呈し始めます。騙されてはいけません。頁岩層から掘削して掘り出された天然ガスは実際には汚染されたエネルギーです。掘削工程で不可避的に大気や水に有毒成分を放つことになります。業界の調査でさえ、こうしたガス井戸の5パーセントは今にも漏れてもおかしくないと指摘していて、30年後にはその可能性は60パーセントに跳ね上がります。そもそもいずれ亀裂が入ったり、劣化したりしないパイプやコンクリートなど存在しません。こうしたガス井戸からはおよそ600種類の有毒成分からなるさまざまな毒物カクテル、気候温暖化の原因ともなるメタンガスやラジウムやウランも漏れ出すのです」

また、ショーンはニューヨーク市の飲料水も今回の開発が問題となっている地域と水源が同じであるため、場合によってはその水源が汚染されることも考えられると警鐘を鳴らしている。さらにアメリカの天然資源調査を行うアメリカ地質調査所もニューヨーク市は飲料水を確実に保全する対策をとっていないと指摘していることもショーンは紹介している。
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