illion、ロンドンと渋谷でゲリラ上映された新曲を期間限定公開中。UKに続き日独仏でもリリースが決定
2012.12.24 00:00
来年2月25日(月)にワーナーUKよりデビューするillionの新曲“BRAIN DRAIN”のミュージックビデオが、昨日12月23日(日)にロンドンで11:23、日本・渋谷で20:23に複数の街頭ヴィジョンにて同時公開された。
この楽曲は、illionの1stアルバム『UBU』の1曲目に収録されるもので、ロンドンのAbbey Road Studiosにてパフォーマンス収録された。なお、ヴィジョン放映された日本時間の昨日20:23より12月25日(火)20:23まで、同曲のwebsite ver.が48時間限定で公式YouTube上にて公開されている(http://www.youtube.com/user/illionofficial)。
また、既に決定しているUKでのアルバムリリースに続き、日独仏でもリリースされることが決定した。まず、来年3月6日(水)に日本、そして3月29日(金)にドイツとフランスでリリースされる。日本盤はボーナストラックが1曲追加された全15曲を収録。詳しくは、illionのオフィシャルサイトをご覧ください。
また、野田洋次郎がイギリスの音楽誌「NME」のインタヴューに応えた記事の日本語訳も併せて公開されたので、以下に掲載する。
●アルバム情報
illion1st ALBUM『UBU』
発売日:
2013.02.25 UK from Warner Brothers Records UK
2013.03.06 JAPAN from Warner Music Japan
2013.03.29 Germany from Warner Music Germany
2013.03.29 France from Warner Music France
日本盤(CD)
2013.03.06 リリース
WPCL-11318 ¥2,500(tax in)
WARNER MUSIC JAPAN
収録楽曲:
01. BRAIN DRAIN
02. AIWAGUMA
03. PLANETARIAN
04. MAHOROBA
05. BEEHIVE
06. DANCE
07. γ
08. FINGER PRINT
09. LYNCH
10. UN&DO
11. GASSHOW
12. INEMURI
13. ESPECIALLY
14. BIRDIE
15. HIRUNO HOSHI * bonus track
注:)
*M-7 は“ガンマ”のγ
*M-15 日本盤のみのbonus track
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●NME(イギリス)による独占インタビュー
野田洋次郎と会う - 東京からトム・ヨークへの回答
By Mark Beaumont
アラン・マッギーがキュレーションを手掛けるTokyo RocksにMy Bloody Valentineがヘッドライナー出演を発表した頃、マッギーは東京で活動するパートナーと新レーベルを立ち上げていた。IFPI(*注)が未来の音楽はアジアと南アメリカにあると宣言したこともあり、盛り上がる日本のロックシーンに今注目が集まっている。
(*注 IFPI(International Federation of Phonogram and Videogram Producers)は、国際的なレコード業界の業界団体である。)
流行りのJ-Popとは一線を画した有望株、その最前線にいるのが野田洋次郎、相当数を売り上げる日本のロックバンドRADWIMPSのヴォーカルであり、彼は東京のトム・ヨークよろしく、ミステリアス、傷んだ、達観したイメージでほとんどインタビューに応じることはない。そんな彼は間もなくソロ・プロジェクト"illion"をスタートさせる。Local Nativesの要素とレディオヘッドの"Pyramid Song"を魅力的にブレンドし、それに呼応する歌は殆ど英語で歌われている。2013年彼はUKを席巻する予定であり、新曲「BRAIN DRAIN」がピカデリーサーカスの大型スクリーンに映し出される。このJ-Rockインヴェイジョンに先駆け、我々は彼に貴重なインタビューを敢行した。
- あなたは日本のスーパースターで、殆どインタビューに出ないのは何故ですか?
特にわざとそうしている訳ではないんだけど、インタビューとかあまり出ないとみんなは謎な人、みたいな感じに思うみたいで。リスナーの方々がボクのことを知らないのは別に気にしないし、自分のブログではけっこうオープンに書いてるし、彼女とケンカしたみたいなことまで書いてるしね。
- あなたは謎めいたバンド、レディオヘッドやオアシスなんか聴いて育ちましたか?
自分が幼かった頃はまだインターネットがそこまで普及してなかったので、オアシスのことなんかあまり詳しくは知りませんでしたね。曲は聴いたことあってもリアムとノエルどっちが歌ってるのかまでは分からなかった。だから初めて彼らのライヴを観たとき「Don't Look Back In Anger」を演奏し始めたら突然リアムがステージを降りてしまってびっくりしましたね。いきなりケンカが始まったのかと思って。
- あなたは何故ソロプロジェクト、「illion」をはじめようと思ったのですか?
まずせっかく音楽を作っているなら、国外でやってみたかったというのがあります。そしてそれは20代のうちにやりたかった。今の日本に向けて。
- バンドというフォーマットはあなたに何か制限を与えていましたか?
いや、制限とかは全然なくて。バンドは大好きですし。海外で活動することは僕の夢であり、ゴールだけど、でもそれはバンドとしての夢ではないんだ。
- どこか違う場所で、一からまた自分を試してみたいという感覚はありましたか?
バンドを始めてからずっと、どこか自分たちのホームグラウンドでない環境で演奏するのが好きでした。小さい頃アメリカに住んだ経験があって、その頃は自分はマイノリティだという自覚がありました。いつも自分はマイノリティだという自覚があるので、マジョリティになるのは落ち着かないです。
- 成功したことで何か変わりましたか?成功に苦しめられましたか?それともうまく付き合えましたか?
成功に関しては特になにも感じてないんです。音楽だけで生活できているのは嬉しいですが、もし誰かに明日でこれも終わりだよと言われても信じてしまうかもしれない。ただの音楽だし、そこが好きなんです、それはただの音楽。ボクが作った音楽のCDが誰かに100万枚売れたよと言われてもボクは実際見ていないですし、もしかしたらその感じが少し怖いのかもしれない。
- 歌詞の中に自分の咽に指を突っ込むという描写がありますが、あれはどこから来ていますか?
自分がします。幸せになればなるほど、その幸せを失うことが怖くなる、だから痛みを感じることが現実を知る一番の近道で。だからやるんですが、別に摂食障害があるとかではありません。
- そのようなことを書くと、たくさんのファンの方々から自らの体験を教えられませんか?
そうですね、特に女の子から。でもボクは絶対に助けられませんし、返事も書きません。例えばあるファンの子はボクに自分のリストカットの写真を送ってくる、またある人は「わたしは病的な嘘つきです。本当はあなたと結婚したいのに夫と子供に嘘ついてます。」とか。そのような手紙をもらうけど、みんな多かれ少なかれ自分が嫌いなはずだし、ある人にとってはそのバランスが人よりも崩れている、ただそれだけで人なんかみんな大差ないんだと思う。事実は、みんな現実的に今現在生きているということであって、それだけのことで、明日も明後日も生きることができる。もしかしたら明後日までとはいかないかも知れないけど、みんな今日を生きる力は持っている。だから本当はみんな大丈夫なんだと思う。
- あなたは自分のために曲を作るのですか、それともそのような人々に向けて?
自分のためですね、だから僕は作り始めたんです。
- マニック・ストリート・プリーチャーズはご存知ですか?
いや、聴いたことないですね。
- あなたは宗教について素晴らしいアイディアをお持ちですね、敢えて神様を完全ではないものにしたいと、それはアルバムの中にも反映されてますか?
ボクはとても宗教に興味がありますね、いつも無意識的にも、意識的にもどこかで考えてます。特に何かの宗教を信仰しているとかではありませんが。ボクは無神論者ですが、もし理想的な宗教があるのなら是非とも入信したい。特定の宗教を信じていないので、上にも下にも向えるのだと思うし、神様にも気軽に話しかけられるんだと思う。だから本当に信仰熱心な人よりも「自由」なんだと思います。
- なぜ「illion」のアルバムでは頻繁に英語詞で歌っているのですか?
英語は確実に世界共通言語として世界中の多くの人々が理解できるし、ボクがただ英語の響きが好きだということもあります。英語という言語は、日本語では引っ張り出せないメロディを引き出してくれる楽器のようなものだと思います。
- UKで演奏することは楽しみですか?
とても緊張しています。他の沢山の日本のバンドの方が僕なんかよりも英国バンドに関しては百倍も詳しいと思うし、でもボクはオアシスから始まってトム・ヨークも好き。ボクは個人的にあまり音楽を聴く必要がないと思っているので、あまり深くは入り込めない。でも有名な人のを聴いているだけでも充分インスピレーションはもらえます。
- そんな世界に上手く適合できていると思いますか?
いやあ、そうだといいですね。そんなミュージシャンから受けるインスピレーションは、もちろん日本人のアーティストとしての立場からも、自分が作った音、自分のアイディアとか、みんなもどのように受け止めてくれるのか気になりますしね。もし自分がミュージシャンではなくてオーディエンスだったとしても、ボクはトム・ヨークもオアシスも、自分が作っている音楽もきっと好きだったと思います。