チェコで観客の事故死の責任を問われ、3月にチェコの法廷で無罪判決を勝ち取ったラム・オブ・ゴッドのランディ・ブライスは、事件とその後の経緯を回想記としてまとめ、来年の春に刊行を予定しているという。
ランディは昨年6月28日に公演を予定していたチェコのプラハを訪れたところ、空港で逮捕されたが、容疑は2010年5月24日にプラハのクラブ・アバトンで行われたライヴで起きたファンの死亡事故をめぐるもので、ダイヴィングをして床に頭部を打ちつけ、その後死亡したファンの死の責任を問われていた。
ランディは19歳で命を落としたこのファン、ダニエル・ノセクの死の責任は問われないとして最終的に無罪判決を勝ち取ったが、この青年の死の現場に立ち会っていたという事実がその後も重くのしかかり、自分の言葉で事件の真相を語り、活字として残しておく必要性を感じるようになったという。今回の出版計画を発表するにあたってのプレスリリース用の声明でランディは次のように語っている。
「文章を読むことを覚えた頃から、作家になるというのが俺のひとつの夢でもあったんだけど、まさか自分にとって最初の刊行物となるこの本がこういうテーマのものになるとは夢にも思っていなかったよ。でも、時として人生は語られるべき物語を思いがけず提供してくることがあるんだ。この物語はまさにそんな語られるべきものだと思うし(自分のためだけでなく、他にも様々な理由から)、そこで関わった人たち全員のためにも敬意と尊厳を込めて語りたいと思うんだ。これは読み応えのある話になることは約束できるし、なにかいいものがここから生まれると嬉しいと思ってるんだ」
版元となるダカーポ・プレスはこれまでもブラック・サバスのトニー・アイオミ、スリップノットのコリィ・テイラー、パンテラの元ベースのレックス・ブラウン、ミニストリーのアル・ジュールゲンセンなどの回想記を刊行してきていて、編集主幹のベン・シェイファーは今回のランディの出版について次のように語っている。
「ランディがヴォーカリストとして、また作詞家として傑出した存在であることは知っていましたが、物書きとしても、活き活きとした天性の資質を備えていることも今回発見することになりました。チェコ共和国での逮捕と裁判でランディは不安と苦悩に満ちた状況を勇気と品位と謙虚な態度でもって乗り切りました」
なお、ラム・オブ・ゴッドを8~9月とヨーロッパとオーストラリアのツアーを準備していて海外ツアーへの復帰を図っているという。