キングス・オブ・レオン、活動休止でも「誰も解散を考えなかった」と語る

キングス・オブ・レオン、活動休止でも「誰も解散を考えなかった」と語る

9月25日に新作『メカニカル・ブル』をリリースするキングス・オブ・レオンだが、ネイサン・フォロウィルは『ローリング・ストーン』誌の取材に応えて、2011年の突然のライヴの中止や前作『カム・アラウンド・サンダウン』制作時から続いていたカレブとの対立などを乗り越えて制作された新作について語っている。

バンドは2011年にテキサスでの公演でカレブが突如ステージから姿を消して戻らなくなるという事件を境にアメリカ・ツアーが中止になり、その後、予定されていたオーストラリア・ツアーを行った後にバンドは活動休止に入ると発表した。今になって前作『カム・アラウンド・サンダウン』についてどう思うかと訊かれてネイサンは「あの時にはどうしても必要なレコードだった」と語っていて、特に08年の『オンリー・バイ・ザ・ナイト』がグラミー賞を受賞したことの厄払いのような作品だったと説明している。

誰もが『オンリー・バイ・ザ・ナイト』や"ユーズ・サムバディ"の二番煎じを期待したところに「みんなが期待していたものとは正反対の超変化球技で行ったんだよ」とネイサンは振り返っていて、ただ、制作もツアーもあまりにも慌ただしかったため、どうしても休みが必要になったとネイサンは説明している。その後の活動再開の経緯についてネイサンは次のように語っている。

「当たり前だけどみんな休みを取っていたわけで、それぞれの小さな世界にしばらく引き籠ってたわけだよね。それから、シケた建物を買って俺たちでスタジオに作り変えたところがあるんだけど、去年の11月くらいからそこでいろいろアイディアをいじくりまわすことになったんだ。俺たちにとっては、ツアーで曲を書く暇がなかったことって、このアルバムが初めてのことだったんだ。これまではいつもツアーのサウンドチェックで新曲を試して、ツアーが終わってる頃には10曲とか11曲くらい作品が揃ってる流れになってたんだよ。でも、今回のアルバムでは、全員で家に籠って賽を振ってみたっていうね、ファーストの青写真の時と同じような状態にまたなったわけなんだよ」

また、作業がうまくいっているのかどうかという判断についても振り出しに戻って、みんなで一緒にこのまま続けるべきか、別なものをやるべきかと頭を悩ませなければならなかったとネイサンは振り返っているが、「ただ、みんなが同じ精神状態になっていたのは本当にありがたかったことで、休みのおかげで、生活の糧として俺たちがなにをやらせてもらっているのかをよく思い出せてもらったんだよ」と語っている。

「楽器を手に取って演奏するという、この12年間ずっと人に知られてきたことを俺たちはやったんだよ。だから、毎日スタジオに行ってそれぞれに気に入っているものをやるわけだけど、みんながそれぞれにハマっているものを聴いていくのがおもしろかったね。たとえば、何曲かカントリー・バラードといえる曲があるんだけど、かといってじゃあカントリーっていえるのかというと、そうじゃないんだよね。あと1曲、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジっぽいものもあるし、他にもスライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーンっぽい曲もあるんだよね。あれこれいろんな影響がごっちゃに入ってるんだよ」

なお、バンドの解散が頭をよぎったことはなかったのかという問いについてはネイサンは次のように答えている。

「よく人はそう訊いてくるんだけど、俺たちの誰にそれを訊いても答えは『ありえない』ってもんだよ。俺たちは家族でやってるバンドだからね、誰かと初めて行ったライヴとか、クリスマスや休日にあらたまって出かけて感じるような、居心地の悪さとかよそよそしさとか、なんかそういう気分に飲まれちゃうことにあるんだよ。それはもうしようがないんだ。だけど、バンドをいったんやめにしたところで、家族のままだから、やっぱり顔を突き合わせることになるんだよね。だから、そういうこと(解散)は特に誰も考えることじゃなかったよ。全員、休みが必要だなとはわかってたけど、終わったわけじゃないともわかってたんだよ」
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