アーケイド・ファイアのウィン、ハイチでロック・バンドはちっぽけだと感じたと語る
2013.10.09 21:45
10月30日に新作『リフレクター』をリリースするアーケイド・ファイアだが、ウィン・バトラーは新作の最大のインスピレーションになったものとして、ウィンの妻でバンド・メンバーのレジーヌ・シャッサーニュの生まれ故郷であるハイチを訪れた経験を挙げている。
前作『ザ・サバーブス』のツアーの終盤で行き詰まりを感じていたバンドの気分転換として、ハイチ地震直後の現地を訪れたのがきっかけだったとのことで、それが「人生の転機」になったため、翌年はポルトプランセの恒例のカーニヴァルに合せて再訪したところ、カーニヴァルの様々な出し物を目撃して「ロック・バンドなんてちっぽけなものなんだな」と認識させられたとウィンは『ローリング・ストーン』誌に語っている。
この時の感激をインスピレーションにして、自分たちの音楽性にダブ・レゲエ、ザ・クラッシュ的なパンク・ロック・ファンク、80年代的なシンセ・グルーヴを導入し、ハイチの音楽からの影響を今作で形にしてみたとウィンは語っている。特にアルバムでも最大の聴きどころとなったタイトル曲“Reflektor”では、激しいコンガのリズムとシンセサイザーのフレーズ、壮大なコーラスを打ち出したものになっているが、ジェイムス・マーフィーとアルバムの共同プロデューサーを務めたマーカス・ドラヴスは今時コンガを使うことに当初躊躇したと語っていて、最後にコンガを聴いたのは90年代末に手がけたリミックスだったと振り返っている。しかし、その後、仕上がったこのトラックを聴いたデヴィッド・ボウイは感激して自分からヴォーカルを提供したほどだった。
ハイチからの影響と今後の見通しをウィンは次のように語っている。
「この先ライヴもひとしきり入っているからね、1年後にバンドの音がどんなことになっているのかすごく楽しみなんだ。僕たちはハイチやジャマイカでの経験で本当に変わったんだよ。『え? ひょっとしたら、僕たちもすごくうまくなれるんじゃないの? 音楽についてすごくうまくやれるようになれるんじゃないの?』って実感できたんだよね」