昨年よりヴォーカルのリッキー・ネルソンがイギリスの人気オーディション番組『ザ・ヴォイス』の審査員に就任して話題となっているカイザー・チーフスだが、ベースのサイモン・リックスは、バンドにはそれぞれに違ったサヴァイヴァル方法があるのだと、リッキーのテレビ出演を擁護している。
カイザー・チーフスは3月26日に新作『エデュケーション、エデュケーション、エデュケーション&ウォー』をリリースするが、サイモンは音楽サイトの「ギグワイズ」に次のように語っている。
「これは前にも言ったけど、僕たちと同世代にはみんないろんな人たちがいるから、道程もそれぞれに違ったものになってきたんだ。たとえば、ブロック・パーティのケリー・オケレケだったら、リッキーが『ザ・ヴォイス』でやってることはできなかったはずだよ。キャラが全然違うから。だから、連中のサヴァイヴァル方法も違ってたし、ケリーはソロとかもやったし、あのソロ活動はすごいもんだったし。だから、みんなそれぞれに辿る道は違ってるんだよ」
その一方で、リッキーは自分の『ザ・ヴォイス』出演をきっかけに、ロック・アーティストのテレビ番組出演も増えるかもしれないと次のように語っている。
「これは賭けだったし、みんなでそれはわかってたよ。だから、『これはイケてるね、土曜日にテレビ出演だぜ、フフーッ!!』っていうノリには誰もならなかった。むしろ、みんなで『これはもうやるしかねーよ』と呟いてやったようなことなんだよ。でも、ちゃんと効果は出てるんだよ。僕たちはね、『エデュケーション、エデュケーション、エデュケーション&ウォー』を成功させるために、どんなことでもやるつもりだったんだけど、そんなところに、この話が舞い込んできたんだよ」
「でも、これは『それってなんかイケてないじゃん』っていう、自分たちの状況を無視したような見方をしちゃだめなんだ。これまで僕たちがやってきた最もイケてたことは、アルバムを200万枚売ったことだったんだから。インディじゃなかったけど、それだけ売れればイケてるよね。そんな折に、土曜の夜のテレビ番組からシングルを番組で演奏しないかって声がかかったとしたら、当然やるよね。その後、12週間連続で出演しないかって言われても、やっぱりやるよね。それと同じことなんだよ」
「いろんなジャンルのいろんな人たちにとってこういう番組出演ってプラスに働いてるんだから、オルタナティヴ・ミュージックの連中にだってうまく働くはずだろうっていう。オルタナティヴ出身だとパーティにも参加できないっておかしいし。僕たちもずっとそういう機会には恵まれてなかったけど、たまたま僕に声がかかって、それに応じたということなんだよ。その今の状況について、僕たちはドアを閉め切られないように足を突っ込んでこじ開けて、1人ずつメンバーを中に押し入れているところなんだ。だから、このまま何年か経てば、(ロック評論家の)ジュールス・ホランドのテレビ番組に機械的にバンドを突っ込んでいるっていうのとは違ってくると思うよ。ジュールス・ホランドは僕も大好きなんだよ。でも、『ザ・ヴォイス』は僕たちのようなバンドには唯一頼れる場なんだよ。僕たちの存在そのものもメインストリームへと突っ込んでくれることになるからね」