「椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015」を観た

「椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行2015」を観た
東京事変を解散して以降、初のソロホールツアー。
今回のライブのポイントは、わざわざツアータイトルに「椎名林檎と彼奴等」と謳われていることからもわかるように、彼女が新たに率いているバンド=MANGARAMAである。
メンバーは、以下の通り。

玉田豊夢(Dr)
鳥越啓介(B)
ヒイズミマサユ機(Key)
浮雲(G&Vo)
名越由貴夫(G)
村田陽一(トロンボーン)
西村浩二(トランペット)
山本拓夫(サックス&フルート)

東京事変は、第一期も第二期も、それぞれにバンドならではのピュアさとプロフェッショナルな音楽職人としてのドライさの独特のバランスがあって、それがときに絶妙であり、ときに危うくもあり、そこに椎名林檎のソロとはまた違う魅力があった。
MANGARAMAは、東京事変の第一期のメンバーだったヒイズミや、第二期のメンバーだった浮雲も含まれているけれど、事変とはまた全然違う、でも職人的なミュージシャンがそろったバックバンドともかけ離れている、百戦錬磨の野武士を椎名林檎がゾロゾロと引き連れているようなカッコいい強者感を醸し出しているのが特徴だ。

温かなユニティ感は薄いけれど、ジャズ/ロック/クラシック/ポップス/R&B/エレクトロなど、あらゆるジャンルを呑み込みながら、新たな形の「日本」のアート&エンターテインメントを力強く打ち出していこうという志をどこまでも音楽的に貫く、バンドというよりもまさに「彼奴等」という感じ。

このライブスタイルが季節的なものなのか半永続的なものなのかはまだわからないが、おそらく2020年の東京オリンピックも見据えながらの、椎名林檎の新たな物語がいよいよ始まったのだということは、はっきりと感じた。(古河)
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