「KANA-BOONの格付けされるバンドマンツアー 2016」初日、幕張メッセ公演を観た。
デビュー以降、一足飛びにシーンを駆け抜けてきたKANA-BOONが、「音楽とは」「バンドとは」といった自らの根っこと改めて向き合ったアルバム『Origin』。
そのリリースツアーの初日として行われた今日のライブには、彼らがまたここから「音楽」をはじめる、そんな覚悟と確信が満ちあふれていたように思う。
目まぐるしく変わる状況の中で、自分は音楽を心底楽しめているのか。音楽が「仕事」になってしまっているのではないか。
そんな苛立ちやジレンマを解消し、純粋に「楽しい」と思う心を取り戻す作業を、他でもない「音楽」によって行えたことは、彼らを今までの何倍も強くしたのだと思う。
あまりにも濃厚なここ数年の中で、迷いながら曲を作ったこともあったかもしれない。思うようにいかないこともあったかもしれない。
しかしそれでも、いつだって「音楽」でもってその足元を確かめてきたのがKANA-BOONなのだということを、今日の4人の演奏は改めて私たちに教えてくれたような気がする。
インディーズ時代の企画「KANA-BOONが人間を作ります。」の楽曲から、今作『Origin』の楽曲まで。
バンドの根っこに立ち返り、純粋に音楽を楽しむ心を取り戻した彼らの演奏は、今までになく堂々として、誠実で、生き生きと輝いている。
きっとこのツアーを経て、彼らの心はひと回りもふた回りも大きく強くなるんだろうな、そんな期待をせずにはいられない一夜だった。(安田)
KANA-BOONツアー初日、ここからまたはじまる
2016.04.16 22:34