フジファブリックの本当のすごさを感じてほしい。彼らが選んだ「10の瞬間」とは

フジファブリックの本当のすごさを感じてほしい。彼らが選んだ「10の瞬間」とは
フジファブリックは、本当に稀有なキャリアを辿ってきたバンドだ。デビューからすでに12年。そして9枚目のアルバム『STAND!!』が12月14日に発売される。これは、バンドの創設者でもありフロントマンでもあった志村正彦が2009年に急逝して、メンバーが3人になった体制から、すでに5枚のオリジナルアルバムを作ったということだ。


バンドのメンバーが突然いなくなってしまった時、残されたメンバーには様々な道が残される。新メンバーを迎えるバンドもあれば、解散するバンドもある。バンドの名前を変えて生まれ変わることもあるし、もちろんそのまま活動を続けるバンドもある。


フジファブリックは、志村正彦という中心メンバーが抜けた穴をそのままに、3人で前に進むことを決めた。ギタリストだった山内総一郎がボーカルを担当し、バンド名も、音楽性も、曲の作り方も変えなかった。そういう選択をするバンドは、きっと他にもあったと思う。でも、彼らほど、変わらぬ支持を受け続けて進むことができたバンドは、世界的に見てもちょっと思い浮かばない。そこで前進することを選択したのもすごいけど、進み続けることが実際にできた。それが本当にすごいと思う。


11月19日に発売されるCUT12月号で、そんな彼らに「僕らを変えた10の瞬間」を選んでもらって、改めてキャリア全体を振り返って語ってもらった。初対面同士の時の印象から、アルバム制作やツアーの話、そして最新アルバムの話まで、何度も爆笑し、そして何度も泣きそうになりました。12年間を通して彼らが育んできた絆と、お互いを思いやりながらバンドの未来と音楽を見つめる真摯さを、ぜひ読んでほしいなあと思います。


そして最新アルバム『STAND!!』は、今の彼らのポジティブな姿勢と、緩急自在なポップ職人ぶりが極上に渾然一体となったマジの傑作です。本人たちも語っていましたが、余計な力が抜けるようになって、逆に力を入れるべきところにバシッと入れられるんだそうです。


あと、これは誌面には収めきれなかったんだけど、12年間のキャリアでケンカした思い出を聞いたら、ほんっっとうに些細などうでもいいエピソードが1個しかでてこなかった。奇跡か。(松村)
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