10月スタートのドラマ『天狗の台所』で主人公の良き理解者である愛宕有意役を演じる塩野さん。里山で隠遁生活を送る青年たちの心の成長を食にフォーカスしながら描いた本作を、塩野さんらしい繊細な目線で読み取り、役へと落とし込んでいく過程をお話いただきました。インタビューを一部抜粋してご紹介します。
有意は普通にコミュニケーションを取れるタイプの人だけど、たぶん、いろいろ心配なんでしょうね。やっぱり孤独にさせたくはないって想いがあるのかな、なんて思ってやってます。都心じゃ息が詰まるようなこともあるけど、この田舎の空気を吸ってああいった生活を一緒に送ることで、自分を整えてるところもあるのかなと思ってます。
実は先日、原作者の田中相先生と対談させていただいたんですけど、その時に「原作では描かれていない部分だけど、有意は天狗一族の中でも一番権威がある愛宕家の子孫としてのプレッシャーだとかいろいろ思うことがありながら、それでも明るく努めてるんじゃないか」という有意のバックボーンについての想像をお話ししたら、「まさにおっしゃる通りです。ちょうど今、そういう有意の気持ちを描いてるところです」って言われて。すごくびっくりしましたね
クレバーでありながら温かさのある、塩野さん役者としての姿勢が窺い知れるインタビュー全文はぜひ本誌にてご覧いただきたいのですが……編集部、今回の取材でひとつ、びっくりしてしまったことがあるんです。
それはインタビュー中に「前回CUTさんに出させてもらったのは『かしましめし』の時だと思うんですけどーー」とあまりにも自然に、しかも「ですよね?」と確認するようなテンションではなくはっきりと覚えてくださっているような口調でおっしゃってくださったこと。
日々たくさんのお仕事をこなしていらっしゃるはずの塩野さん。短い時間でご一緒した取材について、そうして覚えていてくださるその真摯な姿にスタッフ一同感激でした!
撮り下ろしポートレートは夏の終わりの始まり、少しだけ陽が短くなってきたある日の夕暮れに、しっとりとチルなムードで撮影しました。
陽が少しずつ暮れていく中、ゆったりと音楽を流しながらの撮影。しっとりとした色気を感じていただければと思います!(田中春香)
CUT10月号は以下より購入可能です。