『悪人』がよい

『悪人』がよい

吉田修一による原作は、言葉を追いかけるだけで、かなり具体的な映像が頭の中で展開する、まさに映画的な小説だった。
それを元に吉田修一が自ら、監督の李相日と脚本を共同執筆したこの映画は、凄まじいほど映画的なクオリティが高い。
原作を読んでその展開を知っていても、いちいち目が離せない作品に仕上がっている。

その大きな要因はキャスティングの妙。主演の妻夫木聡と深津絵里は、文句なしのパフォーマンスを披露しているが、助演の岡田将生と満島ひかりによる、とてつもないピリ辛なスパイスがとにかく効いてる。
ともに、軽薄で醜いキャラクターを演じているんだけど、それに怖気づくことなく、堂々と体当たりしているふたりには、役者としての、とてつもない力強さと、覚悟を感じる。素晴らしいパフォーマンスだった。

公開は9月11日です。(内田亮)
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