楽しみ、その1

楽しみ、その1

現在編集部はCUT8月号(7月19日発売)の校了に向けて、かなり切迫した状況なのだが、そんな中、amazonから届いたのがこれ。
荒木飛呂彦先生によるホラー映画の解説本、その名も『奇妙なホラー映画論』。
早く読みたい。だけど今は原稿の〆切りに追われて時間がない。

ただ、ざっと目を通して面白いと思ったこと、2点。

まず一番先に紹介されている映画が、まえがきにある『プレシャス』であること。2年前にアカデミー賞にもノミネートされたこの映画。ご覧になった方はすぐわかると思うけど、この映画、確かに現代社会のリアルな恐怖が描かれている作品ではあるが、いわゆるジャンルとしての“ホラー映画”ではぜんぜんない。
いきなりこのチョイスにはビックリするし、それをホラーと位置づけた先生の理屈をいち早く読んでみたくなる。

そして、まえがきの前に先生が選ぶホラー映画ベスト20のリストが掲載されているのだが、『ゾンビ』『ジョーズ』『悪魔のいけにえ』などの名作ホラーに交わって、ジョン・ブアマン監督の『脱出』がランキングされていること。
この映画、現在発売中のCUT7月号の「70年代、映画は狂っていたのか?」特集でも原稿を書いたが、ジャンル的にはホラー映画ではないかもしれないが、恐怖の対象が“田舎”である構図が『悪魔のいけにえ』などのホラー映画とまったく一緒だってことが面白いのである。恐らく荒木先生もその点について書いているんではないだろうか?

とにかく“ホラー映画”がオーソドックスな観点から定義付けられていないことは間違いないこの本。早く読みたい! でも、まずはCUT8月号の校了から。(内田亮)
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