麻枝准の曲は6分間の魔法。

麻枝准の曲は6分間の魔法。

先週発表された7月4日付けのオリコンウィークリーチャートで11位だったこのアルバム『Key+Lia Best 2001-2010』。
ゲームレーベルのKeyの作品で使われてきた楽曲を集めたアルバム、です。

ぼくは、Keyのゲームが好きで、過去の作品でも、思い出したように繰り返しプレイしたりするんだけど、クリアそのものが目的というのでは全然なくて、ストーリーのなかで音楽が聴きたくなるから、というのが大きな理由だったりする。
Key作品の音楽はどれも象徴的で、優劣はつけられないけれど、何が特に好きなんだと聞かれたら、「麻枝准による楽曲全般」と答える。
かつてCUTで、麻枝准さんにインタビューさせてもらったことがあって、それは本当に嬉しかった。そのときは『AngelBeats!』についての取材だったんだけど、すごく力が入ったものになった。

このアルバムは、そんな麻枝さんと、彼をして「自分の曲を化かしてくれる」と語るシンガー、Liaのコラボを集めたコンピレーション。
どの曲にも思い入れがあるからかもしれないし、実際、「ああけっこう覚えてるもんだなー」と自分でもびっくりするくらいにいろんなシーンを思い出すんだけど、ほんとうに素晴らしいアルバムなのだ、これが。
彼の曲は1曲1曲がすごく長いんだけど、ただし、それはまったく冗長なものではない。


聴けばわかるけれど、曲を通してドラマを描ききるために絶対的に必要なアレンジだし、リフレインだし、アウトロなのだ。
そんな濃厚な曲が14曲並んだこの作品は、当然、凄まじくセンチメンタルで、疲れた帰り道の電車なんかで聴いていると正直、平常な気分ではいられなくなってしまう。
駅からの道をちょっと遠回りして、アルバム1枚聴き終わってから帰ろう、なんて思ってしまう。いや、本当に。

すでに、十分素晴らしいセールスを上げている作品だけど、もっともっとたくさんの人に聴いてほしい。「いい音楽」を探している人に純粋に勧められる、これ以上ないほどに良質なポップソング集だと思います。

そんなKeyの最新タイトル『Rewrite』が先日発売されたので、7月19日発売のCUTでなにか書こうと思ってまーす。(小柳)
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