あだち充最新作『MIX』がもう辛抱たまらない

あだち充最新作『MIX』がもう辛抱たまらない

発売してしばらくたってしまったけれど、あだち充最新刊『MIX』をようやく読んだ。
最高である。素晴らしい。
『タッチ』の26年後を描く続編的マンガという惹句を抜きにしてもこのマンガは素晴らしい。
なにしろ、ライバルでもある天才兄弟、いくつになっても憧れてやまないパーフェクトヒロイン、白球をめぐる青春、グラウンドの臭い、「キィン」と響く乾いた打球音、夕方に移いゆく絶妙な放課後感、ナイスすぎる両親と犬、俺んちにはなぜこれがないのだと子供のころ妙に羨ましかったちょっと広めの庭、それとそこでの「いよいよ明日、決勝だね」というような兄弟の語らい……とまあ書けばいくらでもあるが、ありとあらゆるあだちモチーフ、あだちマナーがすべて込められている。
ヒロインは晴れ渡る空を見上げ、「うーん、陽あたり良好!」とか言ったりするのだ。
これである。あだち作品はこうでなくてはいけない。
それでいてさらに、『タッチ』と地続きの淡くほろ苦い明青学園の日々が描かれるのだ。
ここでの背番号「1」は単なるエースナンバーではないのである。
そんなマンガが最高でないわけがない。

というわけで、『MIX』はもうとてつもなくたまらないマンガであります。みなさんぜひ。
ああもう本当に早く2巻が出てほしい。(小柳)
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