恐怖の魔術師、ダリオ・アルジェントの『ドラキュラ』に恍惚…!


74歳にしてこの生々しい血しぶきと妖艶なエロス!『サスペリア』の洗礼から37年、イタリアン・ホラーの巨匠アルジェント監督の新作『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』が昨夜レイトショー公開された。 ゴシックホラーの古典であるブラム・ストーカーの『ドラキュラ』を忠実に映像化した今作。ワルプルギスの夜の不穏な空気や、蝋燭が照らす揺れる影、ヒューイーというシモネッティのテルミンなど冒頭から独自の美意識が炸裂。ジャームッシュ『オンリー・ラバーズ・レフト・アローン』やニール・ジョーダンの『ビザンチウム』など、オリジナリティ溢れるヴァンパイア・ムービーの名作が続いた昨今だが、この古色ゆかしい王道感は見逃せない。 偉大な古典に振り回されることも、奇をてらうこともなく、美しく残虐な大人のロマンとして一冊の絵本のように描かれているのがいい。動物や虫の使い方はかなりユニークで面白いが。 『戦場のピアニスト』のトーマス・クレッチマン演じるドラキュラ伯爵VSルドガー・ハウアーのヴァン・ヘルシン
グというキャスティングはもちろん、3人の美女が超素敵! ミニアム・ジョヴァネッリのワイルドなエロス、実娘アーシア・アルジェントの迫真の演技、特にヒロインであるミナ役のマルタ・ガスティーニ(ドラマ『ボルジア 欲望の系譜』の教皇の愛人役もツボ!)の可憐さは目が離せない。 新宿シネパトスにて20:30からレイトショー、その後順次公開なのでお見逃しなく。14日(金)は一日限りの3D(字幕なし)上映!    http://dracula-argento.net/(井上)
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