フラカンが盛り上がっている
2009.09.26 00:54
フラワーカンパニーズがやたらメディアに露出している。
最初は、スペースシャワーとかの音楽CS局で、「深夜高速」のPVがよく流れていて、「おおすげえ、12年くらい前の『マンモスフラワー』出した頃みたいだ」とか思っていたんだけど、加えてラジオとかにもよく出ているし、地上波(NHKの「MUSIC JAPAN」とか)にまで出ている。
挙句、こないだ、日本経済新聞にまで、グレートマエカワの記事が載っていた。
「一度メジャーからドロップアウトしたけどがんばったバンド」みたいな位置づけで、「『降格』バンド 復活への道」って見出しが付いていて、笑いました。
「『降格』バンド」って。
なんで露出しているのかというと、当然、リリースがあったからです。
あの、13の参加アーティストがみんな「深夜高速」のカヴァーをやっているむちゃなトリビュート・アルバム「深夜高速――生きててよかったの集い――」ね。
約1年前のメジャー復帰作「たましいによろしく」は、前に所属していたインディー・レーベルを離れたフラカンが、もう作りたいからアルバム作っちゃおう、新しいインディー・レーベルは作りながら探そう、なんなら自分たちで出せばいいや、みたいな感じで、次の落ち着き先が決まる前に作り始めたものだった。
で、ほとんどできあがった頃にソニー・アソシと契約の話が出たので、メジャーから出すことになった、という経緯だった。
つまり、そんな感じだったので、レコード会社がそんなにがっちりと、プロモーションの態勢を整えられなかったのだと思う。
今回は、そのへんすごくがんばったのだと思う。
で、ただがんばっただけじゃなくて、いろんなメディアから、打てば期待以上に響くような反応が返ってきて、この露出につながっているんだと思う。
だって、ねえ。さっき例に出した日経新聞とか、フラカンくらいの知名度(失礼)で、そうそう紙面取れるとは思えない。
記者の誰かが興味を持ってくれないと。
最初に書いた、12年前の『マンモスフラワー』の頃は、今以上に、フラカンはいっぱいメディアに露出していた。
スペースシャワーにレギュラー持ってたし、地方とかでラジオもやってたし、今となっては信じられないが、『HEY! HEY! HEY!』にも出ている。しかも2回も。
その頃のレーベルのスタッフがものすごくがんばった結果だと思うが、バンドはそれを上手く活かし切れなかった。
ただ、今回は、そんなことにはならない気がする。
盛り上がっているメディア側も、盛り上げられているフラカン側も、なんかこう、地に足のついた、内実を伴った盛り上がりな印象を受けるのです。
12年前の頃は、当時の所属事務所が「交通事故が危ないから車でツアーは禁止」というルールだったので、フラカンは、新幹線や飛行機でツアーを回っていた。
だからなのかどうかはわからないけど、そんなにたいした本数はやっていなかった。
今は、これだけメディアに露出しながら、つまり宣伝活動を行いながら、一方では相変わらず、主にグレートが運転する機材車で、ほとんどメンバーだけで、日本中を走り回っている。
20日は鹿児島、22日は長崎、23日は大分、今日は松山、明後日の日曜は下北沢CLUB Que。
なんかとても、健全だと思う。
結成20周年記念ライブ、東京・日比谷野音は10月17日土曜日です。
「深夜高速――生きててよかったの集い――」、どのアーティストのバージョンもすばらしいけど(特に斉藤和義、金子マリ、泉谷しげる、YO-KINGがすごい)、ひとつ、ミもフタもないことを書いてもいいでしょうか。
1曲目に入っている、フラカン自身が録り直した「深夜高速」2009年バージョンが、いちばんすばらしいと思う。
しかし、こんなに盛り上がっているのが、オリジナルのニュー・アルバムとかニュー・シングルじゃないのかよ!
5年も前にインディ・リリースした曲かよ!
っていう「そこはちょっと……」っていうのがある感じも、まあ、フラカンらしくていいかなあと思う。
まだの方、ぜひ買って聴いてみてください。