SAKEROCK「MUDA」

SAKEROCK「MUDA」

SAKEROCK『MUDA』
B0045WCDZY
カクバリズム/バウンディ

先週リリース。
もう、たいっへんに、よいです。
いや。「よい」ってより、「おもしろい」って方がぴったりくる。

元々SAKEROCKってそうなんだけど、何がいいって、
そもそもが根本的に、音楽をスタイルで捉えていないところだ。
と、僕は思っている。

ミュージシャンは普通、まあ誰でも、まず好きな音楽があって、
それがかっこいいので、それとおんなじようなのをやりたい、
みたいなところから、始まることが多い。
で、最初は「誰それみたいなの」っていう感じだけど、それがもうちょっと
抽象化されると、「ジャンルでいうとこのへん」ってことになる。
「パンクがやりたい」とか「ヒップホップやりたい」とか、そういうことです。

で、それでいうと、SAKEROCKは、まあ、
「インストやりたい」ってことになるんだろうけど、逆にいうと、それしかない。
という気がしてしょうがない、聴いていると。
ジャズ? 違うよね。スカ? 違う。ラテン? 違います。ボッサ? なわきゃない。
じゃあ何。よくわからない。

強いて挙げれば、戦後すぐの昭和の頃の、ビッグ・バンドみたいな
空気はあるよね、とか、クレイジーキャッツとかあの頃のジャズメン
みたいな感じだよね、とか思っていたけど、
こないだ、そういう音源とSAKEROCKを聴き比べてみたら、全然違いました。

じゃあSAKEROCKは何をやりたかったのか。
おもしろいことをやりたかったのだ。
つまり、ジャンルとか音楽スタイルという形式よりも、
「おもしろい」という中身を優先して作られている音楽だ、ということだ。

だから、歌がなかったり、妙にギターがひずんでいたり、
マリンバたたきまくったり、伊藤大地のドラムが「死ぬほどうまいくせに、
わざとラフに叩いてラフに録ってない?」みたいな響きだったり、
シャッフルの曲なのに部分的に突然8ビートになったと思ったらすぐまた元に戻ったり、
ハマケンのトロンボーンがいつもほんのわずかにフラットしていて、
ぎりぎりのところで本来の音域まで届いていないみたいな鳴りだったりする、のではないか。

という、このバンドの最強ポイントが、すんごいくっきりと出ているアルバムです。
なので、ただただ、おもしろい。


あと、7曲目のタイトルが「HIROSHIMA NO YANKEE」なのが気になります。
広島出身なので、私。
アルバムの中でもトップクラスで耳にひっかかる、
ハマケンのトロンボーン大活躍の曲です。
公式SNSアカウントをフォローする
フォローする