アナログフィッシュのニュー・アルバムがすごい
2011.08.15 23:30
アナログフィッシュ『荒野/On the Wild Side』
PECF-1031 felicity 9月7日リリース
次のアルバムはすごそうだ。と、ここんとこのライブで
披露されていた新しい曲たちを聴くたびに思っていたが、
これ、期待以上です。
「すばらしい」ではなく、「すごい」アルバム。
誰でも意味がわかる、簡単な言葉で、でも説明的ではなくて、
聴き手それぞれが自分の好きなように捉えられる
余地ありの歌詞がすごい。
とか、
まぎれもなくロック・バンドのそれでありながら、
「バンドのロックってこういうもの」という前提からさりげなく自然に
はみ出していく、シンプルかつ自由なサウンド・プロダクトがすごい。
とか、
それらのこのバンドの「強いポイント」が、過去の作品で最高レベルに達している。
とか、そういうことを書きたいが、というか、こうして書いているが、
そのへんに反応できる人は、きっともう過去の彼らの作品にも
反応しているだろうから、それはまあいいです。
まだちゃんとアナログフィッシュを聴いたことのない方に、
簡単に、言いますね。
曲がよいです。
メロディがよいです。
歌がよいです。
そういうアルバムなので、まず、そっからひっかかっていただければ、と思います。
で、ずぶずぶはまって、ぬけられなくなればいい、と思います。
ひとつはっきりいえるのは、このバンドの音楽は、
はまればはまるほど、「普段、生きづらくなる」のとは
逆の方向に、人を向かせてくれる。
いろんな時に、頭の中で、あるいは実際に両耳につっこんだ
イヤホンの中で鳴らせば、そんなふうに具体的に役に立つ。
そういうものです。
あと、これまでの「ソングライターもボーカルもふたり」
「アルバムの中の曲、下岡晃と佐々木健太郎、半分半分」
というバランスが崩れ、10曲中7曲が下岡晃の歌と作詞、
3曲が佐々木健太郎の歌と作詞(作曲は全曲バンド・クレジット)、
という作品になっている。
要は、下岡晃が前に出たとも、佐々木健太郎が一歩退いたとも
いえるが、ただ、それだけではないことを、健太郎曲の
著しいグレードアップが、示していたりもする。
3曲とも、異様にいい。こんな日本のロック、今までなかった、
こんな曲を書ける奴いなかった、というレベルだと思う。
まだ全然書ききれない。
またなんか書きます。