「JAPAN JAM2012のツボ」ブログ・その4:向井秀徳×星野 源! 編
2012.04.20 09:00
「JAPAN JAM 2012のツボ」ブログ、第3回です。
今回はこのセッションについてです。
向井秀徳アコースティック&エレクトリック×星野 源(5月4日出演)
昨年・一昨年と、ZAZEN BOYSで、ワールドワイド・レベルのジャズ・ミュージシャンたちや
七尾旅人を招いて、火花が散るどころか火炎放射器を振り回すような
ほんっとすさまじい、大げさでなく一生記憶に残るようなライヴをやってくれた向井さん、
今年はアコエレで登場です。
ちなみに、去年と一昨年のクイックレポートはこちら。
去年(2011年)http://ro69.jp/quick/japanjam2011/detail/50968
一昨年(2010年)http://ro69.jp/quick/japanjam2010/detail/34843
で。このふたり、同じアコースティック・スタイルとはいえ全然違う、
星野 源はいわゆる歌もの寄りだし、向井秀徳はああいう感じだし
……ってどんな感じだ。
というか、「歌もの」でないアコースティックなんてあるのか。
インストだとでもいうのか。というようなわけではありませんが、
向井さんのあのスタイル、「ああいう感じ」としか形容しようがない、
オリジナリティがすごすぎてほかに言いようがない、というのは、
まあ、わかっていただけるのではないかと思います。
で、そういうスタイルの向井さんが、「歌ものアコースティック」な人と
やるのは、実はそんなにめずらしくはない。
前に曽我部恵一とやってたし。イースタンユース吉野寿ともやってるし。
吉野さんは星野くんと一緒に曲を作ったりもしてましたよね、そういえば。
そっちを掘ると話がそれるのでやめときますが。
話を戻します。というわけなので、音楽的な組み合わせとしては、
「なるほど」とか「はまりそう」とかそういう気がしますが、ただ、
私、最初にこの組み合わせを知った時、それとは別のポイントで
「おお!」ってなりました。
この二者の接点。それは映画「少年メリケンサック」です。
宮藤官九郎監督の、第2作目の。
っていうと、思い出す方も多いと思いますが、
あの映画、音楽を向井秀徳が手がけていたのですね。
で、映画の中で、少年メリケンサックと同じレーベルの
人気ギター・バンド=GOAが演奏するシーンがあったんだけど、
その曲を書いたのも向井秀徳であり(歌詞は確かクドカンだった)、
そしてGOAを演じていたのが、SAKEROCKの、ハマケン以外の3人だったのです。
星野くんはヴォーカル&ギター。
あのシーン、めちゃめちゃおもしろかった。
3人が演じるGOAも、彼らが歌う曲も、
もう、「いかにも」で。
ほんとにいそう、こういうバンド。
で、ほんとにこういう曲をやっていそう。
そして、ジャパンとか、RO69とかに載っていそう。
という意味では、クドカンの書いた脚本と歌詞も、
向井さんの書いた曲も、それを演じた3人も、
その表現がいわば「批評」として成立していたわけで、
そしてその批評の矛先が向いているのは、まさに我々みたいな
連中なわけで、実は内心、笑ってばかりはいられなかったりも
したんですが。
でも、すごいと思った、ほんと。
いや、演じた3人はそんなつもりはなかったと思うけど、でも、
クドカンと向井さんにはあったのではないか、と思います、私。
という、あれ以来ではないかと。
この二者が、こうやって、がっぷり組んで音楽的な何かを行うのは。
どうなるのか、ちょっと想像がつきません。楽しみです。
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