オザケンのライナーノーツを読みながら、スカパラのベスト盤を聴く。

オザケンのライナーノーツを読みながら、スカパラのベスト盤を聴く。

今週発売になった、東京スカパラダイスオーケストラの究極ベスト盤『THE LAST』。
この、CD3枚組+αのとんでもないシロモノに、「小沢健二のライナーノーツ」が付くと聞いたのは、発売がずいぶん近くなってからのことだった。

オザケンのアルバム『LIFE』がもっとも象徴的だけど、スカパラとオザケンの関わりは深い。
でも、スカパラのアメリカやメキシコ公演に小沢健二が同行していたなんてことは、今回の件までまったく知らなかった――けど、確かに言われてみれば、あり得ることだよな、と思った。
今回付属しているライナーノーツは、CDのジャケサイズでゆうに8ページ分のテキストである。
これを読むと、なぜスカパラがメキシコで暴動みたいな人気を呼ぶのか、まるで講義を受けてるかのようによくわかる。それも、復帰後のオザケンのライヴでNYの大停電を語ったりするときの、あの語り口そのままで。これは本当に素晴らしい。

そして、今発売中のロッキング・オン・ジャパンでもSCENEのコーナーに原稿を書いたけど、スカパラはこの超絶ボリュームのベスト盤を出して、しかも『THE
LAST』というタイトルを付けることで、明らかに何かにひとつの区切りをつけようとしている。ただしそれは、バンドが休むとか変わるとか、そういうわかりやすいもんでもない。メンバーの死や脱退を含む、何時間語っても尽きないような物語が、彼らの25年間には満ちている。そして、それはきっと、より軽やかに鮮やかに、今後の5年でも10年でも続いていくのだ。そのことを、改めて引き受けていくための覚悟のようなものが、きっとこのベスト盤なのではないかと僕は思う。

ちなみに、この写真の限定版には、サングラスがついてたりとか、かなりレアな仕様になっている。
あと、メキシコ公演のとんでもない盛り上がりが収録されたDVDも、ぜひ全員観るべきだと思う。そしてCD3枚目のラストに入った新曲”The
Last”にたどり着くと、やっぱりすげえ泣けるんだ。
今月末の武道館が楽しみだぜ!(松村)
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