ちょっと前に公開された、lukiの”100年後のあなたへ”のMVが素晴らしくて、何度も観ている。
まだ観ていない人は、ぜひ一回観てみてほしい。
lukiというアーティストについては、このブログやJAPANの誌面でも、繰り返し取り上げてきた。
彼女は独特の美しさと普遍的なポップセンスが同居するメロディと、情景や感情にザクリとナイフを入れて切り取るような鋭い歌詞で、極めてオリジナルな楽曲世界を描くシンガーソングライターだ。洋楽的な先鋭性と、エモーショナルな歌謡性、さらにEDMのようなフィジカルなジャンルまで自在に取り込んで自分のものにしてしまうそのセンスは、ほとんど唯一無二と言っていい。
そんな彼女のアーティストとしての本質が、これまででもっとも鮮やかな形で映像化されたのが、このMVだと思った。
”100年後のあなたへ”という曲は、彼女のライヴではもはや欠かすことができないほど重要な1曲だが、テーマは東日本大震災以降の原発事故に想起された、未来へのメッセージである。
楽曲という形で生まれたメッセージが、人から人へ、手渡されていく。その行為を成り立たせるのは、狂おしいほどピュアで止むに止まれぬ想いの強さなのだということが、まるで一篇の映画のように見事に表現されている。その途中に映されるluki本人が歌う姿も、これまででもっともナチュラルで、彼女らしさがシンプルに伝わってくる。
5月28日には、久々のワンマンライヴが決定している。ライヴの本数もかなり限られた機会になっているので、それを楽しみに待ちたい！（松村）
