luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest

luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest - luki /all pics by 鈴木公平luki /all pics by 鈴木公平
三者三様の、生き様を刻んだ「闘うアート」のステージであった。lukiとLyu:Lyu、そして小南泰葉という顔ぶれによる、スリーマンイベント。女性シンガーソングライター2人と男性ロックトリオ。表現スタイルも決して近しいとは言えない3組だが、今回はすべてバンド編成での出演であり、結果的には冒頭に触れた表現の本質の部分でテーマを共有する、濃密な一夜になった。

luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
黒いワンピース姿で現れたトップバッターはluki。サポートメンバーとしてギタリストとドラマー、キーボード奏者兼マニピュレーターの3人が共に立ち、9月9日にリリースされたニューアルバム『黒うさぎ』から“爪痕”が届けられる。エレクトロとギターが深い音響を重ねた後に鋭く転がりだし、lukiはハンドマイクで敢然と正面を見据え、痛ましくも勇壮な楽曲を乗りこなしてゆく。続いて「人間の嫌な部分を食べてしまう、うさぎさんの歌です」と告げて披露したのは“黒うさぎ”。情念と生命力をほとばしらせ、人間の負の側面を正へと転換させる、強烈な音楽のエネルギーが立ち込めている。昨年のアルバム『東京物語』からは、渇望感を全身で描き出すような“KISS OR KILL”も披露された。

luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
「東京に住んでいますと、満員電車とか、街中の人混みとか、気が滅入ることもあるんですが、そんなふうに人がたくさんいる中でも、孤独を感じることがあります」。そんなふうに語って、同じ思いをしている人を応援する歌です、と繰り出されたのは“都会の漂流者”。トラックと生のドラムス、そしてアコギが、情緒と推進力をもたらしてゆく。エレクトロニックなサウンドを用いながらも、手応えは生々しいロックの息遣いそのものだ。“ハイエナ”を経てのクライマックスは、思い悩んだまま日々を駆け抜ける“解けないパズル”。lukiのブルースハープが、バンドの分厚い音像とせめぎ合う。映像演出などは何もないのに、音と歌声、言葉によってシネマティックな時間が育まれていた。lukiは1ヶ月後の10月29日、今回と同じくTSUTAYA O-nestにて、『黒うさぎ』レコ発ワンマンを開催予定である。

luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest - Lyu:LyuLyu:Lyu
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
続いては、コヤマヒデカズ(Vo・G)、純市(B)、有田清幸(Dr)による3ピースバンドのLyu:Lyu。コヤマの静謐な空間系ギターイントロから、バンド一体型のリフでエモーショナルに届けられる “先生”だ。3人がスリリングな音の交錯に焦燥感を宿らせる“神経町A10街”に続いては、コヤマが「自分のことばっかり歌ってると思ってたんですけど、意外と分かってくれる人がいたんだなって歌を、歌います」と告げて、昨年のミニアルバム『GLORIA QUALIA』より名曲“メシア”が披露される。コヤマの歌声と歌詞は相変わらず高ぶったままヒリヒリとしているが、確かな温かみを感じさせるナンバーだ。

luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
「久しぶりです、こんばんはー。小南さんが以前、僕たちのライヴをとてもいいと言ってくれて、この後にやるのはイヤだと言っていたんですが(笑)。そんなことはないと、言ってあげてください!」とコヤマは語って、有田が10月7日のリクエストワンマン(@渋谷クラブクアトロ)について告知すると、その後には火花を散らすような激しいアンサンブルで“ドッペルゲンガー”を叩きつける。最後には、ドライヴ感の強いロックチューン“暁”が駆け抜ける中、フロアには自然に多くの掌がかざされていた。瞬く間に悲痛な叫び声へとリーチし、同時にロックサウンドの興奮も余さず伝える、今のLyu:Lyuの高い機動力を目の当たりにしたステージであった。

luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest - 小南泰葉小南泰葉
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
そしてこの夜のアンカーを担うのは、小南泰葉だ。本人含め5人のバンドは3組の出演アクトの中で最も大きな編成なのだが、小南がボ・ディドリー・モデルの四角いギターを携えて“嘘憑きとサルヴァドール”を繰り出した瞬間、5人が5人とも前のめりになったパンキッシュな音像にぶっ飛ばされる。“極刑”では、ポップに弾ける歌詞に世の不条理を織り込み、コケティッシュでありながら時に引きつるような節回しが、「パラッパラッパー!」というコールでオーディエンスと分かち合われていく。「久しぶりにバンドのライヴで。半年ぶりですか?」とニコニコしながら告げる小南だったが、安定した一体感を超えた、ぶっ飛んだ一体感を導き出すバンドの力が凄まじい。

luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
“12月12日”では、整ったショートボブを振り乱して歌い、「皆さん、今日は何の日だか知ってますか?」と、この日発売になったLiSAのニューシングル『Empty MERMAiD』に、初めて他のアーティトに作曲を手掛けた“リスキー”が収録されていることを報告。「カップリングって結構、どこにも流れないんだなって(笑)」と告げると、今度はlukiの新作リリースを祝福し、小南自身も目下レコーディング中であることを語る。“蜘蛛の糸”を経て、オルガンロックンロール“ルポルタージュ精神病棟”の熱狂の中では、高ぶるままにダイブを敢行。息を切らしながら「Lyu:Lyu、好きなんです」とマスコットキャラクター=メリィちゃんの不気味可愛さにも触れて、本編最後にはピアノ/キーボード伴奏のみの“やさしい嘘”が、願いを染み渡らせるように響いた。

luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
luki、Lyu:Lyu、小南泰葉@TSUTAYA O-nest
アンコールに応えた彼女は、史上最も短くカットした髪について、スタジオで2時間ぐらい誰も言ってくれなかった、と嘆きながらも、“世界同時多発ラブ仮病捏造バラード不法投棄”によって殺伐とした青春の情景を全力で描き出す。破天荒なエネルギーを伝えるほどに曲の良さが際立つ、そんなステージであった。(小池宏和)

・セットリスト

○luki
01. 爪痕
02. 黒うさぎ
03. KISS OR KILL
04. 都会の漂流者
05. ハイエナ
06. 解けないパズル

○Lyu:Lyu
01. 先生
02. 神経町A10街
03. メシア
04. ドッペルゲンガー
05. 暁

○小南泰葉
01. 嘘憑きとサルヴァドール
02. 極刑
03. 12月12日
04. 蜘蛛の糸
05. ルポルタージュ精神病棟
06. やさしい嘘
(encore)
07. 世界同時多発ラブ仮病捏造バラード不法投棄
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする