前作アルバム『Sources』以降はメンバーチェンジもありながら、ミニアルバム2枚を含むリリースとライブを精力的に行なう、激動の時期を過ごしてきたNoisyCell。
そんな彼らが3年ぶりにリリースするフルアルバム『Wolves』は、ほぼ全編が日本語詞へと変わり、ラウドロックの枠に留まらない壮大なロックアルバムになった。
インタビューでは、「限界を越えないといけない」「個人個人が120%の力を出さなければいけないと思った」という熱い言葉がバンバン飛び出して、4人が今作に向けて相当の覚悟を込めて臨んだことが伝わってきた。
たくさん話を聞いたのだけど(アルバムが良すぎて、次から次に質問が沸々と湧いてくるのだもの!)、誌面に載せきれなかった楽曲のことを少し書いてみる。
ポストロック的なアプローチの“夜”は、「envyみたいな激情ハードコアが好きだから、そのあたりをリスペクトした。アルバムには喜怒哀楽が全部あるけど、『哀』の部分に振り切った曲」(Ryo)。
「暗い感情を抱えたやつが明るいほうを目指していくのがNoisyCellだから、このアルバムには絶対に必要な曲だった」(Ryosuke)。
唯一、英詞で書いた“M.R.W.”(読みは、メカニカル・ルーティン・ワーク)は、「ロボットが働いてるようなイメージ。それが最後は全部ぶっ壊す、みたいな。ファンタジーだけどシリアスが混在した不思議な曲。仮タイトルは“ロボット☆工場”(笑)」(Ryo)。
……などなど。アルバムをとおしては、“Wolves”や“真昼の月”に象徴されるように、たとえ痛みを伴っても絶対に負けないという不屈の生命力が貫かれているが、それだけじゃなく、今作には随所に振り切れた遊び心が盛り込まれている。
それが、いまのNoisyCellが持つ「この4人なら何をやっても大丈夫」という無敵のムードとも直結しているのだ。
このインタビューは「ROCKIN'ON JAPAN」9月号に掲載です!(秦理絵)