恋愛とかお金とか仕事とか生きていくことにまつわる全てについて、都合良く盛ることも、都合悪いとこを塗り潰すこともなく、裸の心で幸せを探し続ける様を歌にする。
あいみょんは、そんな自分の道を行くことにますます迷いがない。
だからますます年齢も、性別も、職業も、境遇も関係なく、ささやかで情けなくて尊くて手の付けられない願いと欲望に導かれて偶然みたいに暖簾をくぐってその音楽に触れた人の心を鷲掴んでしまう。
つまりますます今における普遍的なポップシンガーの道を、ますます我が道にしているということ。
現象的爆発力だけでなく、日常的浸透力での時代のK点越え令和一番乗り、そんな記念すべき瞬間を刻んだのがこの『おいしいパスタがあると聞いて』というアルバムだと思う。（古河晋）