サカナクションの15周年スタジオセッション「15.0」の3日間を観て

サカナクションの15周年スタジオセッション「15.0」の3日間を観て
音楽を受け取る側の楽しさは受け取る側の特権。
音楽を届ける側の楽しさは届ける側の特権。
そんな固定観念を壊して、音楽を届ける側の楽しさが受け取る側の楽しさに沁み出した新しいエンターテイメントを作りあげたことがサカナクションの偉大な功績であり、他のどのアーティストにも真似ができないことだと僕は思う。
デビュー15周年を記念して、青葉台スタジオから3日間、15年を3つのブロックに分けて、かなりレアな楽曲も含めてスタジオセッションを生配信した「15.0」はその究極形だった。
スタジオでの5人の会話も届けられる演奏も、エンジニアの浦本雅史さんやサニーさん、映像作家の田中裕介監督とのやり取りなども、普段のTEAM SAKANACTIONの中で流れている空気を、時間の流れも含めてリアルに感じさせてくれるものだった。
しかもそれがマニアックな楽しさではなく、各日3時間近い配信で3日間美しく酔い続けられるような音楽的快感になるのが凄かった。
これは本当に15年にわたって技術、努力、絆を積み上げてきて楽曲、歌、演奏、そしてチームの全スタッフによる届けるアプローチを丁寧に向上させてきたサカナクションにしかできないことだ。
表現を増幅させてリアルを感じさせるライブとはベクトルが全く違う、表現の解像度を上げることでリアルを感じさせるエンターテイメント。
まだ体験してない人は5月15日(日)までのアーカイブ期間中に体験した方がいい。(古河晋)
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